このサイトでも何度か説明していますが、性欲が高まる要因というのは色々なんですね。
人によっても違いますから。
なので研究によっても結果がバラバラだったりします。
そんな性欲を高める要因なのですが、機械学習アルゴリズムで分析したら、予測できるんじゃないか?ということを、サンサンプトン大学のローラ・ボウェルズ博士らがおっしゃってまして、論文を発表しています。
『ランダムフォレスト』という変数が多くなっても良い感じに働いてくれるアルゴリズムを使用しています。
今回はそこから分かったことを紹介したいと思います。
(オンラインから得たデータをもとに分析したところ全体で約40%の性欲の変動を予測できたそうです)
「単独の性欲」と「相手への性欲」という2種類の性欲
今回の研究は性欲を2種類に分けています。
「単独の性欲」と「相手への性欲」です。
簡単にいうと、「なんかムラムラしてきたな」というのが単独の性欲で、「あの人とセックスしたい」というのが相手への性欲です。
この2つは似ているようで厳密には違うことがあります。
「オナニーはしたいけどパートナーとはしたくない」という経験は多くの人がしていると思いますが、それと同じです。
性欲を予測するもの
研究にはオンラインで収集された2つのサンプル(合計1,846人、うち754人は377組のカップル)が使用されました。
予測変数としては、年齢、性別、性的満足度、関係満足度、愛情の度合い、愛着スタイル、性に対する態度などの要因が含まれています。
性欲は『Sexual Desire Inventory』という性欲を調べる質問票で評価され、これを基にランダムフォレストアルゴリズムを適用して性欲の予測モデルを構築しました。
そして具体的に何が性欲を予測したのかというと以下の通りです。
単独の性欲を予測するもの
単独の性欲に関しては、マスターベーションの頻度が最も強力な予測因子であることが分かりました。
つまり、オナニーを頻繁に行う人ほど性欲が高いということです。
また性に対してリベラルな態度を持つ人の性欲も高い傾向にありました。
リベラルな態度というのは、セックスを楽しんだり満足を追求するために、色々とやってみても良いんじゃない?という考え方を持っているということです。(こういうタイプの方が性欲と性的満足度が高いというのは他の研究でも分かっていま)
これらに加え、マインドフルネスが高い人も、性欲が高いことが明らかになりました。
マインドフルネスが高い人は、現在の瞬間に意識を集中させ、自己の感情や身体感覚に対して開かれた態度を持つことが多いため、これが個別の性欲を高める要因となっていると考えられます。
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相手への性欲を予測するもの
相手への性欲については、性的満足度と愛情が主要な要因として特定されました。
パートナーとの関係が満足であり、相手に対するロマンチックな愛情が強いほど、相手への性欲も高くなる傾向が出ています。
これは性行為の頻度や質だけでなく、感情的な絆や愛情が性的欲求に直接影響を与えることを示唆しているといえます。
また、単独の性欲と同様に、性に対するリベラルな態度も相手への性欲に影響を与えていることが分かりました。
パートナー効果
今回の分析では、一方の状態がもう一方にも影響を及ぼす、いわゆる「パートナー効果」も見られました。
パートナーの性的満足度が高いと、自分の単独の性欲と相手への性欲が高まることも確認されたのです。
セックスレスやパートナーの性欲の低さに悩んでいる人は、まず自分自身が「性」を楽しめているか振り返ってみましょう。
あなたが楽しむことで、それが相手にも伝わり、良い影響が生じるのです。
参考文献:Vowels LM, Vowels MJ, Mark KP. Uncovering the Most Important Factors for Predicting Sexual Desire Using Explainable Machine Learning.