レス状態なのに夫や彼氏に浮気されるとショックなものですね。
「私には求めてこないのに、他の人とはするんだ…」と落ち込むものです。
自分に女性としての魅力がないのかと自信を失ってしまうこともあるでしょう。
相談に来ている女性の話を聞いていても、このパターンは非常に多いです。
そんな人たちに必ず言うことがあるのですが、「下手(したて)に出るな」ということです。
なぜなら、それがレスの原因になっていることは多いですし、浮気させてしまうことにもつながるからです。
レスられているとき内面が雰囲気に出る
レスを解消したいと思ったとき、多くの女性はパートナーの男性に好かれようとします。優しくしたり、妥協したりします。
もちろん夫婦や恋人としての関係を良好にするために、気をつかうのは大切なことです。
しかし、レスを解消したいという動機が存在しているとき、その気の遣い方が、過剰になったり、不自然になったりするのです。
いつの間にか相手の言いなりになってしまっていたりします。
これはモラハラ的な態度を取られているとか、そういうことではありません。
何となくの雰囲気に出ているということです。言葉の端々や、視線、息遣いなどにです。
男をつけ上がらせるとレスが悪化する
そして、その雰囲気は男性に伝わり、彼らはこう考えるようになります。
「妻(彼女)は多少の無理や理不尽を聞き入れてくれる」と、悪い言い方をすれば「つけ上がる」のです。
男性からすると、自分のほうが立場が上になった状態です。無意識であれ、妻や彼女を下に見てしまいます。
すると、どうなるでしょうか?
女性としての性的な魅力を感じなくなるのです。
なぜなら「いつでもヤラせてくれる女」と認識してしまうからです。
こうなってしまうと、レスは余計に悪化しますし、改善も難しくなります。
さらには、浮気をする可能性も高めてしまいます。
人間というのは、パートナーとの関係において、「自分のほうが価値が上」と認識すると浮気する可能性が高まるのです。
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恋愛関係における自分の価値と浮気願望の関係
恋愛関係において、自分の価値をどう認識するかが、浮気願望に与える影響について調べた、ライマン大学の研究チームによる実験があります。
この実験では、交際関係にある参加者を以下の2グループに分けました。
- 上の立場の条件:自分がパートナーより優位だった出来事を思い出して書く。(例:休日の予定を自分が決めたなど)
- 平等な立場の条件:パートナーとの「ふつうの1日」の出来事を思い出して書く。(例:一緒に買い物をしたなど)
その後、異性の顔写真(魅力的な顔20人分と魅力的でない顔20人分)をランダムに提示し、「この人と付き合いたいと思うか」を0.8秒以内に判断し「はい/いいえ」で即答してもらいました。
その結果、「上の立場の条件」のグループの参加者のほうが、より多くの魅力的な異性を「付き合いたい」と判断しました。
つまり、自分の方が立場が上だと思うと、浮気心が高まるということです。
別の参加者を対象に、現在のパートナー以外の異性との性的妄想を書かせた実験でも、「上の立場の条件」に割り当てられた男性ほど、妄想内容に性的欲望が有意に強く表れることも分かっています。
対面した他の異性とセックスしたいと思うか?
実際にパートナー以外の異性と触れ合う実験でも同様の結果が出ています。
参加者はまず、以下の2種類の自己評価尺度に回答しました。
- 関係パワーの尺度:自分がパートナーよりも関係をリードしている、またはコントロールしているとどの程度感じているか
- 相対的な魅力の尺度:自分とパートナー、どちらの方が異性にとって魅力的だと思うか
次に、参加者は、実験スタッフが事前に用意した外見的な魅力が高い異性の協力者と対面しました。この協力者は、すべての参加者に対して同じ人物が割り当てられました。
参加者と協力者は、プラスチック製のワイングラスを使って「5階建てのピラミッドを共同で組み立てる」という共同作業を5分間行いました。
作業終了後、参加者は協力者に対する性的欲望について自己評価を行いました。
評価には、「キスしたい」「セックスしたい」といった項目が含まれ、どの程度そう感じたかを5段階で答えました。
「立場が上→自分は魅力的→浮気したい」という流れが存在する
それらの回答を分析したところ、先ほどの尺度で、自分の方がパートナーよりも魅力的であると評価している人ほど、協力者に対して、性的欲望を強く持っていることが分かりました。
詳しく統計解析したところ、「関係パワーの高さ」が「相対的魅力の高さ」を高め、それがさらに「他者への性的欲望」を強めるという流れが有意に成立していることが判明しました。
つまり、恋愛関係のなかで優位に立っていると感じることで、自分がパートナーよりも魅力的だと信じるようになり、その結果、パートナー以外の異性への欲望が生まれるという心理的メカニズムが存在しているということです。
美人でスタイルが良くでもレスられるし浮気される
ここまでの説明からいえることは、どちらのほうが、魅力的かどうかは関係ないということです。
実際に相談に来ている人を見ていても、レスられている側のほうが、恋愛市場における客観的な評価は高いであろうと思われるパターンは多いです。
問題は、「どう認識されているか?」なのです。
仮にあなたが物凄い美人でスタイルも性格も良く、夫や彼氏がブサイクで性格が悪かったとしても、関係ないのです。
夫や彼氏が「自分が主導権を握っている、自分の方が立場が上だ」と感じてしまえば、レスられたり、浮気される可能性は高まるということです。
こうならないようにするためには、下手に出ないことなのです。
特にレスられているときは弱気になってしまい、それが態度に出てしまいがちですが、そのことがさらに自分の立場を下げることにつながるのです。
レス解消と浮気防止のために、まずは自分の心を強く持つことが大切です。
参考文献:Birnbaum, G.E., Kanat-Maymon, Y., Zholtack, K. et al. The Power to Flirt: Power within Romantic Relationships and Its Contribution to Expressions of Extradyadic Desire.