夫婦2人でデートするのは大切なことです。
新鮮な刺激によってマンネリ防止にもなります。
とはいえ仕事や子育てでなかなか出かける時間が取れないこともあるでしょう。
そんなときは半日だけでもデートしましょう。
そして、せっかく夫婦でデートするなら愛情が深まる場所に行きましょう。
夫婦の愛情を高めるホルモンの効果
夫婦の半日デートにおすすめなのは普段と異なる環境で新しいことにチャレンジでき、自己の見識が深まる場所です。
こういった場所でデートすると「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが分泌されるのです。
オキシトシンが分泌されると相手に対する愛情が高まり、もっと強く結びつきたい、親密になりたいという欲求が強まります。
また、ストレスが軽減し、幸せな気分にもなりやすいです。
その他にもメリットがあります。
オキシトシンは食欲を抑制する効果もあるため、ダイエット効果が期待できます。恋をすると綺麗になると言われますが、原因の一つはこれといわれています。
ラットを使った実験では脂肪を燃焼させる効果も示唆されています。
夫婦の愛情を高め、自分の魅力を高めるためにも、デートでオキシトシンを分泌させる必要があります。
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夫婦はどんなデートをすれば良いのか?
具体的にどんなデートをするとオキシトシンが分泌されやすいのでしょうか?
それを調べたベイラー大学のカレン・メルトン博士らの実験があります。
この実験には結婚しているか同棲しているカップルが20組参加しました。(年齢は25歳~40歳)
そして、ボードゲームをするグループと、アート制作をするグループに分けられました。
ボードゲームをするグループは、チェスやパズル、ジェンガ、UNOなどの中から、自分たちが慣れ親しんだものを選択して、プレイしました。
アート制作をするグループは、美術講師のレクチャーを受けながら砂浜の絵を描きました。
それらの作業が終わった後で、参加者のオキシトシンを測定しました。
その結果、両方のグループの男女ともにオキシトシンの増加が見られました。
最もオキシトシンが増えたのはアート制作をした男性でした。他の人たちより2倍以上も分泌が多かったのです。
次いで、ボードゲームをした女性、アート制作をした女性、ボードゲームをした男性という順番でしたが、これら3つのパターンに大きな差はありませんでした。
なぜアート制作は効果的だったのか
実は今回の実験をした研究者たちの事前の予想は、ボードゲームをしたグループのオキシトシンが最も増えるというものでした。
ゲームの中で様々なやり取りが発生するので親密さが増すからです。
それに対して、アート制作では講師の話や、自分の作業に没頭するので、コミュニケーションが発生せず、あまり期待できないのではと思っていたのです。
しかし、最もオキシトシンを増やしたのはアート制作をした男性でした。
なぜこのような結果になったのでしょうか?
一つの理由はボディタッチが考えられます。今回の実験ではカップル間のボディタッチの頻度も調査していましたが、ボードゲームをしたグループよりも、アート制作をしたグループの方が、触れ合う回数が多かったのです。
絵を書きながらも相手の肩や背中に触れたりしていたのです。身体的な接触はオキシトシンを増やすことが知られていますから、これが原因と考えられるでしょう。
また、場所も関係している可能性があります。
ボードゲームを行ったのはソファや棚が配置された普通の部屋のような場所でした。
それに対してアート制作を行った場所は地元のアートスタジオだったのです。
つまり後者のほうが新鮮な気持ちになりやすいですから、それが影響した可能性もあります。
夫婦が触れ合いながら新しい体験が出来る新鮮な場所でデート
人間には新しい体験をして自己を拡張したいという欲求が備わっています。(参考:セックスがマンネリしたら「自己拡張」で解消しよう)
そしてその欲求を共に満たした相手に性的欲求を抱くことも分かっています。
アート制作は多くの人にとって新しい体験となりますから、こういった点でも二人の親密度を高めてくれることが期待できます。
半日でも時間ができたら、夫婦が触れ合いながら新しい体験が出来る新鮮な場所でデートしましょう。
参考文献:Karen K. Melton Baylor University, Maddie Larson Baylor University, Maria L. Boccia. (2019). Examining Couple Recreation and Oxytocin via the Ecology of Family Experiences Framework.