レス解消のために「何月何日にする」と決めることがあります。
それによってセックスできたとしても、デメリットが大きすぎて、レスがより深刻になってしまうことがあります。
計画を決めて性行為をするというのは自分を偽る機会を増やすということです。
これはメンタルに非常に悪影響を及ぼしますから、セックスする気も落ちます。
する日を決めればセックスはできるけれど
何年もレスが継続していても双方に改善したい気持ちがれば日付を決めてセックスすることはできます。
どちらかに性機能の問題があったり、強すぎるプレッシャーを感じているでもない限りは、どうにかできることが多いです。
そして1回できたことで2回、3回とできたりもします。
すると「そうか!やる日を決めれば良かったんだ。レスが解消できた」と喜ぶかもしれません。
しかし、この状態が長く続くことはありません。
何度かしているうちにできなくなるのです。
する日を決めても理由をつけてしなくなったり、そもそも計画することさえ避けるようになります。
そして以前よりも深刻なレス状態になるのです。
なぜならメンタルに強烈なダメージが蓄積するからです。
心と態度が矛盾するとメンタルを病む
人間というのは心の中で思っていることと異なる態度を取るとネガティブな影響が出ます。
例えば怒っているのに笑うと気持ちが落ち込みやすくなります。
ムカつく客にも笑顔せ接しなければならならいファーストフード店のスタッフは精神を病みやすいことも分かっています。
そして同様のことがカップル間のセックスにもいえるのです。
する日を決めてセックスする場合、いざその日に気分が乗らないこともあります。というよりそのパターンが多いです。
だからといって冷めた態度で淡々とセックスできる人は滅多にいません。
パートナーに気をつかい、嘘でも興奮している雰囲気を出すでしょう。
これがセックスにも二人の関係にも悪影響を及ぼすのです。
セックス中の演技が満足度を低下させる
セックス中の演技には2パターンがあります。
興奮しているように見せることと、乗り気でないことを隠すことです。
このどちらもが悪影響となります。
セックス中のモチベーションと演技に関する、トロント大学のレベッカ・ホーンらの調査があります。
この調査ではカップルに日々の性交について、そのときにどんな演技をしたかと、それによってどんな気分になったかを記録させました。
その内容を分析したところ次のことが分かりました。
まず、性欲が低い日でもそれを見せないようにすることで、パートナーが二人の関係に対して持つ満足感は高まることが分かりました。
しかし、興奮しているフリをすると、双方の性的満足度を低下させてしまうことが分かりました。(※1)
性欲の低い日にそれを隠したり、興奮したフリをすることは自分に嘘をついている感覚に陥るため、関係満足度も低下させます。
※1 だだし、性的欲求が高まったいるときに、さらに興奮しているように見せることは満足度を下げないので盛り上げようとすることに問題はありません。
☑︎妊活中の性行為の頻度に影響を与えるもの。年齢、学歴、夫の運動習慣など
やる気のある方のパートナーもしたくなくなる
セックス中に全く無反応では作業的になってしまいますから、多少のリアクションくらいはしても良いかもしれません。
しかし、やる気のない日に無理をし続け、自分を偽っていると感じることが多くなっているなら、気持ちが滅入る危険があります。
また、パートナーにそれを気づかれるとかなり深刻なレスとなってしまうでしょう。
する日を決めるケースではカップルのどちらかは積極的に望んでいることが多いでしょう。
それでも無理にしていると分かってしまうと、積極的だったほうもやる気を失うのです。
「嫌々するならしなくて良いよ」という気分になってしまうのです。
双方がセックスに悪いイメージを持ってしまうと、そこから改善するのは非常に困難です。
妊活セックスと楽しむセックスは分ける
妊活のために計画的にセックスすることもあると思います。
それだけがマイナスとなることはありません。レスでなければ計画的なセックスが自然発生的なセックスに劣るということもないのです。
妊娠のためのセックスと楽しむためのセックスは分けたほうがレスになりにくいです。
それでも、どちらかが嫌々にしているなら、無理をしないほうが良いです。
参考文献:Horne RM, Raposo S, Muise A, Harasymchuk C, Impett EA. Dialing up desire and dampening disinterest: regulating sexual desire in the bedroom and sexual and relationship well-being. J Soc Pers Relat. 2022 Jun;39(6):1551-1573.