夫婦間の体の相性が悪いためにセックスをしたくないという人がいます。
「結婚すべきでなかった」とか「別れるべきかも」といった深刻な悩みにまで発展してしまっている人もいます。
しかし体の相性というものは不変ではありませんから良い方へ変化させることは可能です。
大切なことは話し合うこと、方法を変えること、ビリーフ(信念)を変えることです。
体の相性が悪いとは?
体の相性が悪いとはセックスが気持ちよくなかったり、痛みを感じたりするということです。
これらの原因として気持ちが盛り上がっていないことや十分に濡れていないこと、男性が勘違いしてAVのような激しい動きをしてしまうことが挙げられます。
このような不快感を改善するためにはお互いに話し合うことが必要です。
セックスレスについての話し合いは逆効果になる可能性もありますがセックスの方法についての話し合いはカップルの性的満足度を高める効果があるとされています。
ただし相手の下手さを直接指摘してしまうような言い方は避けましょう。デリケートな男性の場合には傷ついてセックスに嫌悪感や苦手意識を持ってしまうこともあります。場合によっては不能となることもあります。
映画でゆったりとしたベッドシーンが流れたときなどに「こんな感じのセックスもしてみたい」と言ってみるなどさり気なくリクエストする方法であれば男性も傷つきません。
良いセックスのためにビリーフを変える
男性か女性のどちらかに身体的な問題が生じていない限りは体の相性の悪さは話し合ってやり方を変化させることで改善できるものです。
しかしより良いセックスのためにはさらにビリーフ(信念)を変えることが必要です。
あなたはセックスの満足度を決めるのは何だと思いますか?努力や工夫ですか?それとも体の相性の良いパートナーと出会うことですか?
実はこのどちらが重要と思うかによってセックスに対する満足度が変わることがトロント大学の調査によって分かっています。
この調査では努力や工夫により良いセックスが出来るという考えを「性的成長信念(sexual growth beliefs)」、体の相性の良いパートナーを見つけることで良いセックスができるという考えを「性的運命信念(sexual destiny beliefs)」と表現しています。
約1,900人を対象にどちらの信念を持っているかとセックスの満足度を調べたところ「性的成長信念」を持っている人のほうがセックスの満足度が高いことが分かったのです。
性的な成長によって感じ方は変わる
あなたは夫や彼氏とのセックスがイマイチだと「体の相性が悪いから仕方ない」と諦めてしまっているかもしれません。しかし最初から体の相性が良いことのほうが稀です。
「性的に成長することは可能である」という信念を持つことで意見を交換したり新しいことにチャレンジする意欲がわきやすくなります。
色々なことを試すうちにお互いが気持ち良いと感じる方法が見つかったりテクニックが向上するのです。性感帯が開発され感じやすくなるということもあるでしょう。
お互いの努力によって体の相性は良くなっていきます。セックスについてのコミュニケーションを取っている夫婦ほど年齢を重ねるごとにセックスがより良いと感じる傾向にあるという研究もあります。
夫婦間のセックスが気持ち良くないからといって体の相性の問題だから仕方ないと諦めることのないようにしましょう。諦めがセックスレスへとつながることもあります。
参考文献:Jessica A. Maxwell, Amy Muise, et al. (2016). How Implicit Theories of Sexuality Shape Sexual and Relationship Well-Being