女性の曲線美とウエストヒップ比はどちらが魅力にとって重要か?

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レスの相談に来ている女性によく言う話なのですが…

セクシーに見せたいなら肌ではなくボディラインを強調したほうが良いです。露出度を高めるのではなく、体の曲線を出すということです。

例えが適切か分かりませんが、セクシービデオの表紙は必ずしも裸ではなく、服を着ていてほとんど肌が見えていないものもあります。

それらをよく見ると、曲線美を強調していることが多いです。ピタッとしたサイズ感の服を着て、腰周辺のS字が目立つようなポーズで撮影しているものが多いです。それによって男性は興奮するということを販売者たちは経験で知っているのだと思います。

ボディラインの曲線美と関連した話として、ウエストヒップ比(WHR)があります。ウエスト周囲径をヒップ周囲径で割ったものです。この数字が1より小さければクビれがあるということです。ウエストヒップ比が0.7の女性が最も魅力的と評価されるという調査結果などもあります。

進化心理学的な観点では、男性がウエストヒップ比が低い女性を魅力的と感じるのは、健康や生殖能力を間接的に反映するシグナルとして受け止めるからなどと言われたりします。

実は曲線美とウエストヒップ比は似ているようで違います。どちらも女性の魅力の指標となり得るものですが、見る人によってバラつきがあります。ではどちらがより、女性の魅力を説明する指標なのでしょうか?

曲線美か?ウエストヒップ比か?

それを調べたのが、コンスタンツ大学のロナルド・ヒュブナー博士らです。

博士らは細身から太めまで5パターンの体型の、ウエスト部分を5段階に変化させた合計25枚の画像を用意しました。そしてそれぞれの魅力を実験参加者に評価させました。

全ての体型でウエストヒップ比0.7が魅力的とは限らない

そこからまず分かったこととして、標準的な体型ではウエストヒップ比0.7が最も魅力的と評価されたということです。過去の調査とも一致しています。

しかし、ウエストヒップ比0.7が全ての体型で最も魅力的とされたわけではなく、体型によってはウエストヒップ比0.8の方が高く評価されるなどバラつきがありました。

特に身体の幅が大きい場合(太めの体型)はウエストヒップ比0.7が最も低い評価をされました。

どの体型でも高評価なのは中程度のS字カーブによる曲線美

一方でウエスト部分の曲線の形については、どの体型においても共通した評価が見られました。中程度のS字カーブが最も高い評価を得たのです。

極端にウエストが絞れた体型でもなく、寸胴型でもなく、腰からお尻までの落差が滑らかにつながったラインが最も魅力的ということです。

そしてこの中程度のS字カーブのウエストヒップ比は必ずしも、0.7ではありませんでした。

つまり、お尻と比べてウエストがどれだけクビれているかよりも、曲線としての美しさの方が重要ということです。アニメで描かれるボンキュボンの形状は必ずしも理想ではないということです。

なぜボディラインの曲線美が魅力評価の指標として勝るのか?

なぜウエストヒップ比よりも曲線美のほうがあらゆる体型で魅力的とされたのでしょうか?

理由としてまず、曲線美は全体の形状を捉えている点が挙げられます。ウエストヒップ比では異なる体型でも同じ比率が算出されることがあり、全体の魅力を正確に評価するのは難しいです。

しかし、曲線美は身体の幅に依存せず、ウエストからヒップにかけての滑らかな連続線を表すため、魅力を正確に反映できるのです。

また、曲線美は人間が視覚的に認識しやすく、美的感覚に訴える要素を直接反映していることも理由として挙げられます。例えば、18世紀の美術理論家ウィリアム・ホガースが「美の線(Line of Beauty)」(下図参照)と称したS字曲線は、魅力的な身体の輪郭とも一致します。

ウィリアム・ホガース「美の線」

このような曲線の滑らかさや形状は、古くから芸術や美学の分野で多くの人々から評価されてきたものです。

さらに、進化心理学の観点からも曲線美は健康的な脂肪分布や骨盤の幅を示唆し、生殖能力や健康の潜在的な指標とされている可能性が考えられます。ウエストヒップ比はこうした情報を十分に反映できないため、魅力評価の尺度として劣る可能性があるのです。

ということで色気をアピールしたい人はぜひ、曲線美を意識してみてください。「エロい服装の女性は飽きられるのが早い」でも説明しましたが肌の露出は逆効果となりかねませんから気を付けましょう。

参考文献:Hubner, R., Ufken, E.S. Curviness is a better predictor of a woman’s body attractiveness than the waist-to-hip ratio. Sci Rep 14, 23081 (2024).