遠距離でセックスできないなら「セクスティング」しても良いか?

遠距離恋愛をしていると直接に会える機会も少ないですから、浮気されるのではないかと不安になったりもします。

浮気しないまでも気持ちが冷めて破局してしまうのではないかと思うこともあるでしょう。

セックスの頻度と関係満足度にも相関があるとされていますから、そちらの面でも心配です。

最近は通信機器の発達により、気軽にデータのやり取りができるようになりました。

それを利用して性的な画像やメッセージをやり取りしているカップルもいると思います。

このようなプレイをセクスティングといいます。

遠距離でセックスをする機会が少ないカップルにとってこのようなセクスティングはプラスとなるのでしょうか、それともマイナスとなるのでしょうか?

遠距離で性的満足度を高めるには理想化と妄想が有効

遠距離か近距離かに関わらず、ポジティブな話題を共有したり、相手の存在の大切さを伝えるといった積極的な行動はカップルの満足度を高めてくれるものです。

このような行動を「Relationship Maintenance Behavior(=関係維持行動)」といいます。

関係維持行動によって関係性が良くなることはブリティッシュ・コロンビア大学のケイトリン・ゴールドスミス博士らの調査でも分かっています。

この調査では約500人の男女に、パートナーとの関係を維持するためにどんな努力をしているかと、関係にどれくらい満足しているかということを調べています。

それによると、オープンなコミュニケーションや、相手が恋人として理想的であると認識することが二人の関係に良い影響を与えることが分かっています。

また、性的な理想化や性的なファンタジーが、性的満足度を高めることも分かっています。

性的な理想化とはセックスの相手として素晴らしいと認識することです。性的なファンタジーというのは相手とのエッチなプレイを妄想することです。

遠距離で中々会えない状況でも性的な満足度を高く維持するには、理想化と妄想が有効といえます。

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セクスティングは遠距離にプラスとなるか?

理想化と妄想をするためには、実際のセックスが素晴らしいものである必要があります。

とはいえ遠距離の場合は直接会ってセックスをする機会は少ないです。

そこでその代替として考えられるのが「セクスティング」です。

セクスティングとは性的な文字や画像のやり取りをすることです。「Sex」と「Texting」を合わせた言葉です。

このセクスティングは遠距離恋愛において関係満足度を高めるのに役立つのでしょうか?

セクスティングに関する研究はまだ少ないのですがその中からいくつか分かっていることがあります。

まず、当然のことですが、セクスティングをしたときに、どんな気分になるかは個人差があるということです。

状況によって変わるのですが、インディアナ大学のミシェル・ドゥルーアンらの調査によると、セフレのようなカジュアルな関係ではネガティブな気持ちになる人が多いことが分かっています。

単なる性欲解消のために行うと虚しくなりがちなのです。

他の研究では愛着の問題や抑うつ傾向のある人、10代の若者もセクスティングによって気分が落ち込むことがあると分かっています。

一方で強い絆で結ばれた恋人とお互いが楽しめる状況の中でする分にはプラスの効果が期待できます。

セクスティングではありませんが見せ合い(自慰の相互鑑賞)が性的満足度を高めることも分かってますから、デジタルデバイスを通しても同様の効果が得られるのです。

とはいえ流出や送信先間違え、リベンジポルノのリスクを考えるなら、顔の映った画像や動画は送らないほうが良いでしょう。

またサイコパスやナルシストな性格傾向を持つ人はパートナーに対し、攻撃的な態度を示し、羞恥心を覚えさせるような画像を送信させることも分かっています。

もしあなたのパートナーがこのようなタイプの場合にはセクスティングに応じないようにしたほうが良いです。

また嫉妬心の強いタイプはリベンジポルノを含むサイバーDVをする可能性が高いことも分かっていますから注意しましょう。

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遠距離のセックスは興奮しやすい

セクスティングの話からは離れますが、性的な理想化と妄想には、直接会ったときのセックスも当然重要です。

満足のいくセックスができれば、性的にも素晴らしいパートナーだと思いますし、離れているときでも思い出す機会が増えます。

これに関しては遠距離はある意味でメリットがあるといえます。

なぜならマンネリし難いからです。

いつも一緒にいると慣れによって興奮も生じにくくなりますが、遠距離であればこのようなリスクは低くなります。

セックスレスの相談を受けている中での個人な感覚ですが、同じ頻度でセックスをするカップルでも、近くに住んでいるか遠くに住んでいるかで、マンネリするまでの時間は異なるように思います。

セックスの頻度が同じでも遠距離のほうがマンネリしにくいのです。近くにいるとたまにしか会わなくても「いつでも会える」という安心感があるため飽きやすいのかもしれません。

遠距離であれば滅多に会えないというプレミア感が出ますから、普通のセックスであっても興奮しやすいのです。

この興奮をさらに高めるためには、お互いの理想のプレイなどを話し合うことも有効です。

遠距離の場合に、一人でAVを見たり、オナニーをしたりする頻度が高まると、関係への満足度が低下することも分かっています。

このような頻度を減らさせるためにも、理想のプレイを話し合い、最も興奮する相手なのだという認識を持たせることは有効な対策となります。

参考文献
・Kaitlyn Goldsmith and E. Sandra Byers. (2020). Factors associated with sexual satisfaction in mixed-sex long-distance and geographically close relationships.
・Michelle Drouin, Manda Coupe, Jeff R. Temple. (2017). Is sexting good for your relationship? It depends ….

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