「中イキできない」と悩む女性が勘違いしていること

「中イキできない」と悩む女性は少なくありません。

慣れればイケるようになるのでGスポットやポルチオ性感帯を刺激して自主練しましょうとアドバイスされることもあります。

実際にオナニーで中イキできるようになってから、セックスでも中イキできるようになるパターンは多いです。

しかし、永遠に中イキできない女性もいます。

レスの相談に来る女性から、「『性感帯を開発します』という自称セックスセラピストに会いに行ったけれど、何も変わらなかった」という話も聞きます。

これは当然のことです。人によって性感帯の場所は異なるのですから膣内に感じる場所がなければどれだけ刺激しても中イキすることはないでしょう。

調査によって数字は異なりますが挿入のみで中イキできる女性は全体の3割未満ともいわれています。

オーガズムに達するには挿入だけで十分という女性は約18%というインディアナ大学セクシャルヘルスプロモーションセンターの研究もあります。

そもそも中イキできないからといって悩む必要はないのです。

外イキよりも中イキのほうが素晴らしいと勘違いしているならその認識を改めましょう。

中イキの方が良いという説はフロイトが言い出した

挿入時にお互いの恥骨のあたりが擦れるでもない限りは、外イキというのは男性の手や口でクリトリスを刺激することでなされます。

それと比べて中イキは男性器による刺激で達成されます。

セックスというのは愛する男女が性器同士を合体させ一つになる素晴らしい儀式という認識を多くの人が持っています。

なのでその状態でオーガズムに達するのが良いことと思っているのでしょう。

AVでも「クリでイク」という絶叫よりも「中でイク」という絶叫のほうが圧倒的に多いですが、これは男性も中イキが望ましいと思っていることの証左でしょう。

ちなみに「中イキが正しい」という謬説を最初に唱えたのは心理学者のジークムント・フロイトとではないかとされています。

女性はある程度の年齢になり男性器を知ると挿入を渇望するのだから中でイクのが正常であり、いつまでもクリイキしてるのは心に何か問題を抱えて大人の女性になりきれていないということである、といった理論を言い出したのです。もちろんエビデンスもない誤りですが。

フロイトは確かに素晴らしい実績を多く残しましたが、なんでもかんでも「性」に帰結させる嫌いがあり、現在では科学的に否定されている説も多いです。

しかし、著名な心理学者でしたからその影響がいまだに残っているのかもしれません。

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中イキの方が気持ちいいとは限らない

中イキを体験したことのない女性は「とんでもなく気持ちいいもの」と期待しているかもしれません。

確かに意識が飛ぶほどに絶頂する人もいるでしょう。

しかし、感じ方は人によって異なります。

中イキのほうが気持ちいい人もいれば、外イキのほうが気持ちいい人もいるのです。どちらも変わらないという人もいます。

また、ピストンによってクリトリスも擦れているので、どちらでイッているのか分からないという人もいます。

中でイッたと思ってもクリトリスでイッただけ

男性の体とクリトリスが擦れてオーガズムに達しているのに、挿入されているせいで中イキしていると勘違いしてしまうことがあります。

クリトリスと膣口が近い女性ほどセックスでイキやすいという研究がありますが、挿入時に体同士が密着して擦れやすくなることが理由でしょう。

そもそも中イキだと思っている現象のほとんどは何らかの形でクリトリスに刺激が伝わっているだけと主張する研究者もいます。

クリトリスは先端だけが外部に出ていて、残りは体内にありますから、そちらが刺激されている可能性があるのです。

とはいえ、身体に触れなくてもオーガズムに達することが可能な人も存在しますから、やはり中イキは脳のメカニズムが関係しているのだと思います。

女性のオーガズムのパターンは数種類ある

中イキでも外イキでも女性のオーガズムのパターンは複数あります。

AVの影響なのか「あぁっ!」と一瞬でエネルギーが爆発するようなオーガズムしか存在しないと思っている人もいますが、そんなことはありません。

確かに一気に頂点に達するような中イキもあります。

しかしそれ以外にも、穏やかな気持ち良さがじーっとしばらく続くものもあれば、中程度の快感が断続的な波としてやってくるオーガズムもあります。

夜にムラムラせずに眠りにつけるかどうかで「あの気持ち良さはイッたからだった」と判別できるという女性もいます。

「Ohhh!」とならないからといって中イキできていないということではありません。

意外な場所に性感帯があることも

女性のオーガズムは体調やメンタルの影響を受けやすいものです。

テクニックとは別に相手との関係性なども影響してきます。

たくさん抱きしめてくれる彼氏と付き合い始めたことで、密着しているだけで全身の感度が上がって、乳首でイケるようになったという女性もいます。

他にもヘソの少し下を外側からマッサージされて中イキする人や、腰のあたりを優しく撫でられてから挿入されるとイキしやすい人など様々です。

最近では瞑想やマインドフルネスを取り入れることでオーガズムに達しやすくなるという研究などもあります。

挿入によって中イキ出来ないからといって気にする必要はありません。中イキのほうが素晴らしいということはないのです。

ぜひ、あなただけの性感帯を探してみましょう。

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参考文献:Debby Herbenick, Tsung-Chieh (Jane) Fu, Jennifer Arter, Stephanie A. Sanders & Brian Dodge (2017): Women’s Experiences with Genital Touching, Sexual Pleasure, and Orgasm: Results from a U.S. Probability Sample of Women Ages 18 to 94, Journal of Sex & Marital Therapy.

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