中年になってもセックスを精力的にできる人とできない人の違い

40代50代と中年になってくると、精力的にセックスしている人がいる一方で、ほとんどしなくなってしまう人もいます。

ホルモンの変化や健康上の問題などが影響することが多いです。もちろん夫婦間のマンネリも生じます。

それらと同じくらい重要な影響を及ぼすのが、自分に対する期待です。

将来の自分に期待しているかどうかが、セックスの頻度と性的満足度の違いを生むことが分かっています。

それだけではなく人生そのものの充実度まで変わります。

「予言の自己成就」

初対面の相手と会話をしているときに、特に理由はないけれど「この人とは仲良くなれそうだ」と思うことがあります。

すると自然と友好的な態度を取りますから本当に仲良くなります。

このように根拠のない見通しが新たな思考や行動につながり、本当に実現することを「予言の自己成就」と言います。

同様のことが自分自身のことでも起こります。「もう年だから運動できない」と思っていると体を鍛える機会が減って筋力が低下しますから、本当に運動ができなくなるのです。

そして中年期以降のセックスについても同じことがいえます。

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10年後に期待している中年はセックスの回数が多い

あなたが40代50代だったとして、これから先の自分の性生活はどうなると思っているでしょうか?

楽観的ですか?悲観的ですか?

それによってあなたのセックスは変わります。

ベイラー大学の研究者らが、「中年期発達全国調査 (MIDUS) 」という社会調査から、約1,000人分のデータを10年ごとに追跡した研究があります。

このデータの中にはセックスの頻度と満足度に関する質問の他に、「10年後を見据えてその時のあなたの性生活はどうなっていると思いますか?」という項目もありました。

それらの回答を分析したところ、将来の性生活に対する期待が大きいほど10年後のセックスの回数と満足度が高いことが分かりました。

また、女性の場合はポジティブな期待をしている人ほど性機能低下によるマイナスの影響が和らぎ、セックスの回数も多いことが分かりました。

性的レジリエンスを高める

加齢や機能低下による性の制約に対して、自分たちなりの方法で適用することを「性的レジリエンス」と言います。

勃起力が低下しているなら射精や挿入にこだわらない新しい方法を試してみたり、濡れにくくなっているなら潤滑ジェルを使うことなどの選択を前向きに選択できる夫婦は性的レジリエンスが高いといえます。

この性的レジリエンスも性的期待がある方が高まりやすいといえます。

自分たちに期待していない夫婦は少しでもうまくいかないことがあると、「もう自分たちはできない、もはやそういう年ではないのだ」と考え、他の方策を講じようとしないのです。

そのため本当にセックスができなくなっていくのです。

反対に新しいプレイを試せるチャンスだと期待できる人たちは、自分たちはまだまだできると考えます。

性欲はメンタルの影響も大きいですから、本当にできるということです。

セックス以外の人生も充実する

中年期以降の人生に期待をすることのメリットは性的に充実することだけではありません。

人生全般に良い効果をもたらしてくれることが複数の研究から分かっています。

例えば年を取ることが、様々な機会を増やすことにつながると考える人は、体を動かしたり旅行に言ったりとアクティブになる傾向にあります。そして心身ともに健康を維持しやすいです。

また、「年を取るとチャンスが減る」という社会のステレオタイプからの悪影響も受けにくいです。

さらには何歳になっても新しい友達が作れます。

このように自分の未来に期待することは多くの効用をもたらしてくれます。

仕事を引退した後や子供が巣立った後に、急激に老け込んだり燃え尽きてしまう人もいますが、そうならないためにも、様々な面で未来を楽しみにしていましょう。

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参考文献:Schafer MH, Upenieks L. Do Sexual Expectations Matter for Older Men and Women? Anticipated Sexual Futures and Late-Life Sexuality Over Two Decades. Gerontologist. (2023).

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