セックスをした後に、いけないことをしたような罪悪感を持ってしまう人がいます。
セックスに限らず、自慰やAV視聴、空想することさえ悪いことと思ってしまう人もいます。
このような罪悪感を持っているとセックスが楽しめないだけではなく、パートナーとの関係も悪化するリスクがあります。
どうすれば罪悪感を捨て去ることができるのでしょうか?
セックスに罪悪感を持つ理由
セックスに対して罪悪感を持ってしまうのはなぜでしょうか?
それは脳が自分の道徳感や倫理感と一致しない行動をしていると認識するからです。
ではこのような道徳感や倫理感はどのように作られたのでしょうか?
多くの人は家庭や学校での教育によって作られています。
セックスは悪いもの、危険なもの、汚いもの、といった教育が気づかないうちになされているのです。
特に子供時代は他者の意見を無批判に受け入れがちですから、強く心に残るのです。
記憶にない人こそ刷り込みされている可能性がある
セックスに対する罪悪感を抱かされるようなことを言われた覚えはないという人もいるかもしれません。
そういう人こそ強く「セックス=悪」という刷り込みがなされている可能性があります。
記憶にないということは、それほど興味を持っていないときに刷り込みがされているということです。
人間というのは興味を持っていないことに対する情報は疑わないのです。
例えばあなたがゲームに興味を持っていない人だったとします。
そこで「ゲームは脳に悪い(※1)」と言われたら信じると思います。既にそのような認識を持っているかもしれません。
これと同じことなのです。性的なことに興味を持っていない、もしくは意味が分かっていないときから、悪いものと言われたら、それが当然の知識として定着するのです。
(※1 ゲームが脳に悪いかは不明です。内容やプレイ時間によっては空間認知やワーキングメモリの向上につながるという研究結果もあります)
なぜ女性ほど性的罪悪感を持ちやすいのか?
女性ほど性的罪悪感を持ちやすいことが分かっています。
その原因としては、セックスに積極的な女性はふしだらという社会のステレオタイプの影響などが考えられます。
性的経験が豊富な男性は称賛されることがあっても、女性は軽蔑されるという性的二重基準が存在しているのです。
また、性的対象化も考えられます。自分を性欲解消に利用されるモノと認識してしまうことです。
それによって自分を傷つけたような気持ちになり、悪いことをしている気分になることもあります。
性的対象化については、男性が「愛する人を性の道具にしてしまった」と考え罪悪感に苛まれることもあります。いわる、マドンナ・ホア・コンプレックスの状態です。
性的罪悪感を持つことの悪影響
ネバダ大学のタラ・エマーズ・ソマー博士らが、過去に行われた研究データから性的罪悪感の影響を調べています。
それによると性行為に罪悪感を持つと次のような悪影響が出ると分かっています。
- 性的活動が減る
- セックスに対する前向きな態度の減少
- 性的なコンテンツで興奮しにくくなる
- 性に対する正しい知識を得られにくくなる
このような悪影響があると、セックスで興奮しませんし、快感も得にくいです。
すると「やっぱり悪いことなんだ」という信念を強めてしまうという負のループに陥ってしまうのです。
どうすればセックスに対する罪悪感を変えられるのか
どうすればセックスに対する罪悪感を変えられるのでしょうか?
まずは、セックスに対する罪悪感が自分の誤った信念から生じていると認識することです。
自分がなぜ「間違ったことをしている」と感じてしまうのか考えるのです。
そしてその考え方が正しいという根拠は何なのか検証するのです。きっと納得感のある根拠は見つからないはずです。
そしてその信念を変えるのです。
セックスはパートナーとの愛情を確かめ合い絆を深めるものといったように、良いものに変えていくのです。
信念を変えるには時間がかかるかもしれません。
しかし脳には可塑性があります。思考は順応していきますから諦めないことが大切です。
それと、エロに反応してしまう自分を恥じたりする女性も少なくないのですが安心してください。
一日の中でエロい妄想をする回数に違いはありますが、性的な刺激への生理学的な反応に男女差はないことも分かっています。
反応しているのはあなただけではありません。
☑︎男女の性欲の違いは強さだけではない!種類と妄想回数の調査
参考文献:Tara M. Emmers-Sommer, Mike Allen, Kelsea Vadona Kohler & Nancy Burrell (2017): Implications of sex guilt: A meta-analysis.