女性の性欲スイッチを入れる因子を調べた研究。4パターンに分類できると判明

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エッチな気分になるきっかけには男女差があります。

どちらかといえば女性のほうが複雑なことが多いです。

男性は女性の裸を見たらすぐに性欲スイッチが入るタイプも多いですが、女性は必ずしもそうとは限らない人が多いです。

その時の気分だったり、雰囲気の影響を受けやすいです。不安やストレスが影響することもあります。

これは男性が精子をバラ撒くだけでいくらでも子孫を残せるのに対し、女性は産める数に限りがあるため安全な環境で子孫を産み育てなければならないという違いが影響しているなどと言われたりします。

女性の性欲スイッチが入らずにセックスレスになっているカップルもいます。

女性本人から相談されることもあれば、男性側から「妻(彼女)が全く気分が乗らないようで…」と相談されることもあります。

何が女性の性欲スイッチを入れてくれるのか知ることは女性にとっても男性にとっても、有益といえます。

そこで今回は女性の性的欲求の手がかりについて調べた、テキサス大学のケイティー・マッコールらの研究を紹介したいと思います。

性的欲求を引き起こす手がかりを調べる

この研究では性的欲求を引き起こす手がかり(=性欲スイッチをONにするもの)を特定するための項目を作成しました。

まずはじめに、50人の女性(18〜67歳)を対象に「性的活動を望む理由は何か」という自由回答の質問を行い、得られた回答を元に125の手がかりをリスト化しました。

ここでいう性的活動はセックスだけではなく、キス、愛撫、オーラルセックス、マスターベーションなども含みます。それらをしたくなるきっかけは何か?という質問をしたのです。

参加者手から出された項目を、また別の874人の女性に見せ、それらが性欲を起こすかどうか評価してもらいました。

回答は5段階のリッカート尺度(1 = まったく引き起こされない、5 = 非常に引き起こされる)で評価されています。

それらをもとに最終的に40項目からなるリストが作成されました。このリストは大きく以下の4つの因子に分類されました。

分かりやすくいうならこれが女性の性欲スイッチをONにする要因ということです。

性欲スイッチをONにする4つの要因

1. 感情的な絆

感情的な絆は女性の性欲スイッチを入れる最も強力な因子の一つです。これはパートナーとの間に築かれた深い愛情や信頼、そして安心感によって形成されるものです。

たとえば、パートナーが日常的に自分を支えてくれることや、困難な時に寄り添ってくれる姿勢が見られると、女性はより強い性的欲求を感じやすくなります。これは男女の親密な関係が身体的な接触ではなく、感情的なつながりが基盤となっているためです。

具体的な例として、「パートナーが自分の気持ちを理解しようと努めてくれる」、「一緒に未来について話し合う時間を持つ」といった行為が挙げられます。

これらの行動が性的な魅力を感じさせるきっかけとなるのです。また、こうした情緒的なつながりは長期的な関係においてより重要となってきます。興奮による性欲が失われても、関係が深まるにつれて性強まる性欲もあるのです。

2. エロティックで明示的なな手がかり

エロティックな手がかりは、直接的な性的刺激によって女性の欲求を引き起こします。

これには、エッチな動画や画像、18禁映画の鑑賞、性的な内容を含む会話などが含まれます。これらの活動は、性的な想像力を刺激し、結果として女性の欲求を高める効果があります。

特に自分自身やパートナーの身体的な反応、たとえば性器の湿り気や勃起を意識することも、エロティックな手がかりとして機能します。

また、Hな妄想や夢の中での性的な体験も女性の欲求を強化する一因となります。この種の手がかりは、即座に強烈な性欲を喚起することが多いです。

3. 視覚/物理的な近さの手がかり

魅力的な人物を目にしたり、彼らと物理的に近い距離にいることで性欲スイッチが入ることもあります。

たとえば、パワフルで影響力のある人物や、社会的に成功している人々との接触が、女性に強い性的魅力を感じさせることがあります。

また、引き締まった身体や、自信に満ちた振る舞いなども、視覚的な手がかりとして性的欲求を高めます。

これらの手がかりは無意識のうちに作用し、即座に強い性的興奮を引き起こす効果があります。

さらに、スポーツやフィジカルな活動をする姿を見ることで、健康的で活力に満ちたイメージが性欲を刺激する場合もあります。

4. ロマンチック/暗示的な手がかり

ロマンチックなシチュエーションや暗示的な手がかりも、女性の性的欲求を引き起こす重要な要素です。

具体的にはキャンドルライトに照らされたロマンチックなディナーや、美しい日没を共に眺めるといったシチュエーションなどが挙げられます。

こうした状況は女性に心理的な安心感と共に高揚感を与え性的な欲求を自然に喚起します。

また、パートナーとの密接なダンスや、耳元でささやくなどの行為は、暗示的な刺激として機能し、性的欲求を強めます。

これらの手がかりは、性的欲求を直接的に表現するのではなく、暗喩的な方法で欲求を引き出すのが特徴です。

ロマンチックな手がかりは、特に情緒的なつながりが強い関係において効果的とされています。

自分でも気づいていない性欲スイッチのきっかけ

今回の研究では上記で作成した、リストをさらに別の138人の女性に見せて評価させたところ、性欲を喚起する因子として有効であることが分かりました。

上記の4つの因子を見直すことで、あなたやパートナーが気づいていない、性欲スイッチをONにするきっかけが見つかるかもしれません。

ただし、今回の因子は性的欲求低下障害(HSDD)を持つ女性では、反応が低いことも分かっています。HSDDの女性に関しては専門医に相談することをお勧めします。

参考文献:McCall K, Meston C. (2006). Cues resulting in desire for sexual activity in women.

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