ケンカ後の仲直りセックスが興奮する理由とその危険性

夫婦や恋人間でケンカをした後にするセックスはいつもより興奮するという人がいます。

プレイの内容自体はそれほど変化しなくとも、お互いの求め方や燃え上がり方が変わるのです。

しかしだからといって頻繁に仲直りセックスをしていると関係が崩壊する恐れがあります。

なぜケンカ後の仲直りセックスは興奮するのか?

なぜ仲直りセックスは通常よりも素晴らしいものに感じるのでしょうか?

それはケンカによる興奮をセックスによる興奮と勘違いするからです。

ケンカによって興奮したままセックスできる

ケンカをすると自律神経を介してアドレナリンやノルアドレナリンが放出されます。それによって感情が高ぶります。

これは外敵と戦うためのモードになったということです。つまり強い興奮状態です。

その状態でセックスをするのでいつもと同じセックスでも燃えるのです。

ケンケの興奮をセックスによる興奮と勘違いする

そしてさらにその興奮をセックスによるものと勘違いします。なぜなら「錯誤帰属」が起こるからです。

「錯誤帰属」とは自分に芽生えた感情の原因を勘違いすることです。

吊り橋を渡ったときに美人に出会うと、吊り橋の揺れによってドキドキしていても、「美人に会ったから興奮しているのだ」と勘違いしてしまう実験を聞いたことのある人もいると思います。

仲直りセックスもこれと同じく、ケンカによって興奮していても、セックスや相手のセクシーさに興奮していると勘違いしやすいのです。

これがケンカ後の仲直りセックスが興奮する理由です。

コントロールできなくなるので相手の価値を高く評価する

さらに興奮させる理由としては相手がコントロールできない状態になることも挙げられます。

望めばいつでもセックスできる相手より、できるかどうか分からない相手のほうが興奮するものです。

ケンカによって「相手が応じてくれないかもしれない」という感覚が芽生えることで、本人も気づかないうちに相手の価値を高く評価するのです。

また男性の場合はAVのシチュエーションでもあるように、高飛車な女性を組み敷きたいという欲望を持っている人もいますから、ケンカによってその状況が整うと興奮することもあります。

全員が仲直りセックスに興奮するわけではない

ケンカ後の仲直りセックスが興奮するメカニズムについて説明してきましたが、全員に当てはまるわけではありません。

ライマン大学のグリット・E・バーンバウム教授らの調査でも、パートナーと対立したときに相手の性的魅力をどのように評価するかは、性別や愛着スタイルの影響を受けることが分かっています。

男女ともにケンカすることでセックスする気さえ起こらないという人もいるのです。

自分が興奮しているからといって相手も同じと勘違いしないことが大切です。

仲直りのために義務としてのセックスに仕方なく応じている可能性もあるのです。

仲直りセックスの危険性

ケンカ後にきちんと建設的な話し合いをして、お互いに禍根は残らない状態で仲直りセックスをするのであれば問題はありません。

しかし対立の内容を曖昧なままに、なし崩し的にセックスをしているというのであれば、それは問題を先送りしているだけですからどこかで関係が壊れる危険があります。

なぜなら仲直りセックスはやがて効果を発揮しなくなる可能性があるからです。

セックスをする動機は様々ですが、性的欲求に動機づけられて行うセックスは刺激的なことをする度に興奮の閾値が上がってしまいます。

つまりどんどん激しくしていかないと燃えなくなってしまうということです。

仲直りセックスは性的欲求によって行われている可能性が高いものです。

つまり、毎回のように仲直りセックスをしていると、やがて興奮しにくくなるということです。

そうなったときに仲直りの手段がなくなってしまうのです。

たまにするなら良いですが、解決の手段として毎回のように仲直りセックスをするのはやめましょう。

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参考文献:GURIT E. BIRNBAUM, MARIO MIKULINCER, AND MICHAL AUSTERLITZA. (2012). Attachment orientations and the effects of relational conflict on sexual motivation.

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