セクハラの問題が周知されている時代にも関わらず、いまだにする人はいます。
セクハラする人は女性蔑視的な考えを持っていたり、自分の権力を誇示したいという欲求を持っているなどと言われます。
確かにこういった思考は女性に対する性的な言動につながりやすいものです。
しかし、その根底には2つの大きなコンプレックスがあるのです。
それはセックスの能力と、仕事の能力についてのものです。
今回はセクハラをする人の特徴と、それをやめせるための方法について説明します。
セクハラする人の特徴
セクハラする人は次のような特徴を持っていることが多いとされます。
- 男尊女卑的な価値観を持っている
- セクハラという認識がない
- 異性との距離感が分からない
- 自分は許されるキャラという勘違い
- 人権意識が欠落している
しかし、これらはあくまで表面的なものであり、セクハラする人の根底には、性的な事柄と仕事に関する強烈なコンプレックスがあるのです。
性機能の衰えに対するコンプレックス
動物のオスの本能は多くの子孫を残すことです。これは人間も同じです。
そのため、セックスをする能力はアイデンティティにも関わります。
分かりやすくいえば、男性機能が衰えると、男としての存在価値までなくなった気になって恐怖を感じるということです。
その恐怖心を克服するためにどうするかというと、女を攻撃するのです。これがセクハラです。
セクハラをして、女性が困惑するのを見て「自分はまだメスを性的に恥ずかしがらせることが出来るのだ!オスとして終わっていないのだ」と安心しようとするのです。
本人がそれを自覚していることは少ないですが、セクハラをする男性が何らかの性的なコンプレックスを抱えていることは多いです。これに関しては私の経験を踏まえ後述します。
(女性蔑視や女性嫌悪を「ミソジニー」と言いますが、これを持つ男性も上記と同様のメカニズムで性的コンプレックスを抱えていることがあります)
職場で無能と評価されることへの恐怖心
オスとしての存在価値という面では、仕事の能力も関係します。
仕事ができるということは生命の維持に必要な食料を獲得する能力が高いということだからです。
それによってメスを惹きつけることができるのです。
そのため、男性は周囲から「仕事ができない無能」と認識されることを恐れます。
そして、その恐れが強くなると、社会階層における女性の立場を傷つけ、相対的に自分の立場を高くするためにセクハラをするのです。
職場でのセクハラが多いのも、仕事の能力を認識させられる機会が多いからといえるかもしれません。
オハイオ大学のリア・ハルパー博士らの研究でも、無能と評価されることへの恐れが強い男性ほど、セクハラする可能性が高いことが分かっています。
セクハラをやめさせる言い方
セクハラをされたら泣き寝入りせずに訴えるのが良いのですが、なかなか簡単にできることではありません。証拠を揃えるのも大変です。
それでも放置しておけば、されている側のメンタルに悪影響を及ぼします。
セクハラをやめさせるにはどのような言い方をすれば良いのでしょうか?
直接「やめてください」と言ってもやめない人もいます。
それどころか「嫌がっている=ダメージを与えられている」と思って逆効果になるかもしれません。逆恨みされる可能性もあります。
そこで、直接言わずにセクハラをやめさせる一つの方法を紹介します。
セクハラする人はインポ説は正しかった
私は経営コンサルティングの仕事もしているので、様々な企業に出入りすることが多いです。
それらの企業の中には女性社員にセクハラ発言をする社員もいました。
そのとき私はよく「もしかしてEDなの?」と聞いていました。
先程、説明した男性機能の低下によって生じる恐怖感がセクハラにつながるという説が本当か確認したかったからです。
結論からいうと、この説は正しかったと思います。質問した相手は全員が狼狽していましたから。
EDでないにしても何らかの性的なコンプレックスは抱えていたのだと思います。
セクハラを指摘したら契約解除された
「EDなの?」という質問はセクハラ発言をした人が1人でいるときにするよう配慮していたのですが、あるとき他の社員もいる前で質問してしまったことがあります。
しかも「おまえはインポなのか?」と言ってその理由まで長々と説明してしまったのです。その相手は非常にお怒りになり、揉めに揉めました。
そしてどうなったかというと私はコンサルティング契約を解除されました。
依頼主である社長から後日、丁重に「お引き取り願いたい」という申し出があったのです。(この件が原因と言われたわけではありませんが確実にそうでしょう)
とはいっても最後まで仕事をやっていればもらえた報酬を全額貰えたのでむしろラッキーでした。
社内のセクハラがなくなった理由
実はこの話には続きがあります。
私はその会社と関りがなくなったのですが、数ヶ月後に別件で会社の方から連絡をもらいました。
そこで、私の発言のせいで、社内に「下ネタを言う人=インポ」という共通認識のようなものができているという話を聞きました。
そのおかげなのか社内でセクハラ発言をする人がいなくなった気がするとも言っていました。
本当に私のおかげなのかは分かりませんが、セクハラをしている人間からすれば、自分が陰でインポ呼ばわりされているかもしれない状況は恐怖です。
「下ネタを言う人=性的な問題を抱えた人」という共通認識を醸成しろ
つまり、職場のセクハラをやめさせるには、「セクハラする人=性的なコンプレックスを抱えた人」という共通認識を醸成すれば良いのです。
仮にその説を信じない人であっても、セクハラや下ネタ発言をすると、周囲からはそう認識されると思わせることさえできれば良いのです。
性的コンプレックスを解消しようと思ってセクハラしているのに、それが余計にコンプレックスを悪化させることになればやめるでしょう。
セクハラに限らず、「こういう言動をするとこう認識される」という空気を作ることで、そのような言動が減ることはよくあります。
直接、本人に言う必要はありませんし、誰かを名指しする必要もありません。社内で話していれば勝手に広まります。
広まった後でセクハラ発言があれば、反応せずに蔑むような視線を投げかければ良いだけです。
最後に注意なのですが「インポ」という言葉は侮蔑的な意味を含むので日常会話で使わないようにしましょう。
それと、たとえセクハラをしている相手でも面と向かって「EDなの?」と聞くと訴えられる可能性がありますから気をつけましょう。
参考文献:Halper, L.R., Rios, K. Feeling Powerful but Incompetent: Fear of Negative Evaluation Predicts Men’s Sexual Harassment of Subordinates. Sex Roles 80, 247–261 (2019).