夫婦の愛情を取り戻すちょっとしたテクニックのお話です。
AVを見たことのある人なら知っていると思いますが、最初にIPPA(知的財産振興協会)の「著作権侵害は犯罪です」という案内が表示されることがあります。
「IPPAのロゴを見ただけで興奮できる」などと冗談を言う人もいますが、これはあながち嘘ではありません。
そのロゴの後に興奮する本編が始まると脳が学習していれば起こる現象です。
このような脳の仕組みを利用することで、マンネリした夫婦の興奮や愛情を蘇らせることが出来ないものでしょうか?
実は出来なくもないのです。
少なくとも夫婦間の愛情が復活する可能性はあります。
スマホを見ただけでも脳が興奮する
有名な心理学の実験で「アルバート坊やの実験」というものがあります。
生後11ヵ月のアルバート坊やに白ネズミを見せるのと同時に大きな音を聞かせて驚かせていたら、やがて白ネズミを見ただけでも怯えるようになったというものです。
いわゆる「条件づけ」という現象です。
条件づけは不快なことだけではなく、快感なことに対しても起こります。
例えばインスタなどのSNSに依存している人はスマホを見ただけでも脳が興奮することが分かっています。
そしてこのような条件づけは男女関係に応用できる可能性があります。
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条件づけで夫婦の愛情を高められるのか
まず、夫婦関係でも条件づけが発生するのかということですが、フロリダ州立大学のジェームス・マクナルティ教授らが写真を使った面白い実験を行っています。
この実験では144組の夫婦が集められました。
参加者は画面にランダムに表示される画像を見て、指定されたものが表示されたときにボタンを押すというゲームのようなことを、3日に1回、6週間に渡り行いました。
表示される画像には配偶者の写真も含まれていたのですが、表示のされ方は参加者によって2パターンに分かれていました。
1つのパターンでは配偶者の写真を表示するときに必ずポジティブな画像とペアにしています。(ポジティブな画像とは可愛い動物や前向きな単語などです)
もう一方のパターンではこのような操作は行いませんでした。
結果
そして2週間ごとに夫婦間の愛情の度合いなどを評価する質問表に回答させました。
その結果、配偶者の写真をポジティブな画像とペアにして見せられたグループの参加者は、配偶者に対し愛情的な感情を抱き、結婚生活の満足度も高くなっていることが分かったのです。
条件づけが発生したということです。
実は他の実験では条件づけなど発生しなくとも、日常的にパートナーの写真を見ると愛情が深まることも分かっています。
愛情のない夫婦はとりあえずお互いの写真をスマホに入れることから始めると良いかもしれません。
※ただし見飽きることでセックスレスにつながるリスクもありますから気をつけましょう。
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愛情のない夫婦の特徴
実験では確かめられていませんが、逆の条件づけも起こり得ることに注意してください。
ネガティブな情報と配偶者の写真を一緒に提示されたら、配偶者に嫌悪感を抱くようになるということです。
これを自分自身でやってしまって夫婦間の愛情を失っている人もいますから注意しましょう。
例えばいつもネガティブな話ばかりしていると、その情報とあなたが結びつくので愛情が失われやすいということです。
「自発的特徴変換」といって悪い情報を伝えると、それを伝えた人の印象まで悪くなることが研究からも分かっています。
<参考文献>
・McNulty, J. K., Olson, M. A., Jones, R. E., & Acosta, L. M. (2017). Automatic Associations Between One’s Partner and One’s Affect as the Proximal Mechanism of Change in Relationship Satisfaction: Evidence From Evaluative Conditioning. Psychological Science, 28(8), 1031-1040.