3年という期間は一つの区切りと考える人が多いのかもしれません。
セックスレス状態の夫婦でも3年目に離婚を考え始めるとか、何らかの行動に移そうという人も少なくありません。
「今月でちょうど3年目です」と相談に来る人も多いです。
3年間もセックスレス状態が継続していたら、そこから復活するのは不可能と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
単身赴任による別居や、久々の旅行、女性側のホルモンバランスの変化など、様々なきっかけによって復活するのです。
主体的にコミュニケーションのスタイルを変えることでも復活します。
当方にカウンセリングに来ている方も、接し方を変えたことで夫婦生活が再開するパターンはよくあります。
そんなことでセックスレスが解消できるのかと納得しにくいかもしれませんが、コミュニケーションのスタイルは「夫婦間のセックスしたい気持ち」に大きな影響を与えます。
何年もセックスレス状態の夫婦によくあるコミュニケーション
何年もセックスレス状態になっている夫婦によくあるコミュニケーションのスタイルがあります。
それは「攻撃しすぎ」もしくは「我慢しすぎ」なコミュニケーションです。
攻撃しすぎなコミュニケーションとは相手の立場を考えずに自分の意見ばかりを主張したり、ストレート過ぎる物言いをすることです。
我慢しすぎなコミュニケーションとは、自分の希望や不満を相手に伝えて対立するくらいなら黙っていようと考えて何も言わないことです。いつも相手の意見に合わせることも含みます。
このどちらのコミュニケーションもセックスレスの原因となり得るのです。
攻撃的な態度は喧嘩に発展しなくとも、目に見ないストレスを与え続けることになりますし、我慢し過ぎるとストレスが溜まり、それが伝染するからです。
そして無意識のうちに「自分でも分からなけれど妻(夫)を見るとイラッとすることがある」という心理状態が作り出されるのです。
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日々のストレスがセックスレスにつながる
このサイトで何度も説明していますが、日々の夫婦生活の中で蓄積する細かいストレスやイライラはセックスレスの原因となります。
激しい言い合いになることはないけれど、日常の何気ない言動が気になる場合には、少しずつストレスが溜まっていると考えて良いでしょう。
そして、自分でも気づいていないうちに脳は「不快な相手」と認識します。
セックスは快感を求める行為ですから、不快な気分になる相手とはしたい気分になりません。
ハッキリした理由はないけれどなぜかセックスレスになっていたり、頻度が減っている場合にはこういった日々のストレスが原因となっていることが多いです。
アサーションを実践するための「DESC法」
攻撃しすぎ、または我慢しすぎのコミュニケーションを変えるためには「アサーション」が有効です。
アサーションとは直訳すると「主張」という意味ですが、心理学では「相手の立場にも配慮した自己主張」という意味で用いられます。
アサーションを実践するのは難しいことではありません。
自分の主張をしつつも、相手に配慮する気持ちを持っていれば良いのです。
具体的な実践方法として「DESC法」があります。
以下の項目に沿って自分の主張を伝えるということです。
- Describe(描写):客観的な事実のみを伝える
- Express(表現する):自分の意見や気持ちを伝える
- Specify(提案):具体的な解決策や、相手に求めることを伝える
- Choose(選択):提案が受け入れられた場合、受け入れらなかった場合の結果や選択肢を伝える
難しく考える必要はありません。客観的な事実と自分の気持ち(願望)を明確に区別して、相手の気持ちに沿った伝え方を意識すれば良いのです。
【注意1】「I」を主語にして伝える
注意点としては「Express(表現する)」は必ず自分を主語にするということです。
「私はこういう気持ちになる」と「I」を主語にして伝えましょう。
「普通はそうでしょ」「常識でしょ」のような言い方をしてはいけないのです。
なぜなら人間は客観的事実でないこと、つまり判断の余地のあることを言い切られると自分の自由を奪われた気になり反発したくなるからです。
あくまで自分の個人的な見解であるということを明確につたえなければなりません。
【注意2】客観的に伝えようとし過ぎないこと
もう一つ気をつけてほしいことは客観的に伝えようとし過ぎないことです。
例えば「ポイントは3つあってね」といった話し方ではビジネスのような言い回しに聞こえます。
そして、夫婦間に距離を置きたがっているような印象を与えてしまいます。
客観的な事実と自分の感情を分けることは大切ですが、冷たい言い回しにならないように気をつけましょう。
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自己分化された状態で実践することが大事
アサーションを実践することによって、夫婦間に存在する言語化されない小さな不快感を減少させることができます。
それによってセックスレスも解消することがあるのです。
言いすぎてしまう人も、言えずに我慢し過ぎてしまう人も、ぜひアサーションを試してみてください。
そしてその大前提として健全な意味での自律した関係(=自己分化)が大切になります。(参考:セックスレス夫婦が距離を置くための「自己分化」の方法)
なぜなら、適度な他者感のある状態でアサーションを実践した方が「尊重されている」という実感を得やすいからです。
自己分化されていない感情の境界があいまいな状態では効果が薄いのです。