妻に浮気してほしいとか、他の男性に抱かれている姿を見たいという願望を持っている男性は意外と多いです。
このような心理を「寝取られ願望」といったりします。
寝取られは性的な嗜癖の一つのジャンルとして確立されています。NTRと略していわれることもあります。
NTRのコミュニティもありますし、相手を募集する掲示板なども存在します。
このような場所で相手を探して寝取られをする夫婦やカップルの中にはレスの解消を目的としている人たちもいます。レスの相談に来た人の中にも試したことがある人もいます。
そこで今回は寝取られ願望を持つ男性の心理と、そのようなシチュエーションで実際に射精させて精子の質が変わるのか調べた研究を紹介します。
またNTRプレイがレス解消に有効な施策となるのか結果などを踏まえて注意点とともに説明します。
寝取られ願望を持つ夫の心理
人間も含め動物のオスが寝取られに興奮するのはおかしなことではありません。
妻の過去の男性経験を聞くと興奮する男性心理の記事でも説明しましたが、妻が他の男の子供を産むかもしれないという危機感を抱くため、妻に精子を注入しなければと思うのです。
このような思考が性的興奮となって表れるため妻が他の男に抱かれる姿を見たり、それを想像すると興奮するのです。
西オーストラリア大学のサラ・J・キルガロンらの実験でも精子競争を意識させられた状態で射精した男性の精子は運動量が多いということも分かっています。
これが寝取られ願望を持つ夫の心理です。
なので仮にあなたが夫からそのような提案をされたからといって愛情が冷めたわけではないということです。
むしろ妻のことを愛しているほどに寝取られ願望を持つ人の興奮は高まるといえます。
妻と他の男のセックスを意識したら精子の質は変わるのか?
説明してきた通り男性が寝取られに興奮するのは精子の競争が発生すると考えるからです。
他の男性の精子が自分のパートナーの卵子と結合するリスクが発生したときに自分の精子をより多く送り込ませるために性欲を高め行為へ向かわせるのです。
ということは寝取られを意識した状態では射精1回あたりの精子の量も増え可能性も考えられます。
実はオークランド大学の研究者がこれを実験で確かめています。
寝取られシチュエーションで射精してもらう実験
さすがに目の前で妻や彼女が寝取られるのを見ながら射精させるわけにはいきませんから、想像によってシチュエーションを作りました。
18歳から34歳までの男性45名にパートナーが浮気をしたシチュエーションとギャンブルでお金を失ったシチュエーションのそれぞれを想像しマスターベーションをしてもらったのです。

具体的には以下のシチュエーションです。
- パートナーから一晩限りの過ちを告白され2度としないというので許すことにした。そして浮気が発覚してから初めてのセックスはどんな感じになるか想像しながらマスターベーションをする
- パートナーからギャンブルで高額のお金を失ったことを告白され許すことにした。それから初めてのセックスはどんな感じになるか想像しながらマスターベーションをする
実験参加者の男性はコンドーム内で射精して精子を提出しました。
精子の量と質はどうなったか?

研究者が射精された精子を分析したところ量や質に有意差はありませんでした。つまりパートナーが寝取られたところを意識した状態でマスターベーションをしても精子に変化はなかったのです。
この結果は少し意外でした。前述の通りサラ・J・キルガロンらの実験では同性のライバルの存在の認識が精子の質を変えることが分かっているからです。
この実験を行った心理学者のトッド・シャッケルフォード博士はコンドームの着用が性的興奮の低下をもたらした可能性と浮気の想像だけでは効果が出にくかった可能性を指摘しています。
条件を変えて実験をすれば異なる結果が出るかもしれません。
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寝取られはセックスレス解消に有効なのか?
妻が寝取られたシチュエーションを意識しただけでは精子の質に変化がないという結果になっていますが、実際に寝取られると興奮するという男性は少なくありません。
それによってマンネリが打破されレス解消になったという夫婦もいます。レスにならないように定期的に寝取られプレイやスワッピングをしているという夫婦もいます。
セックスレスの相談を受けている中での個人的な感覚ですが、様々なレス解消法の中で最も即効性が高く、尚且つ効果も高い方法は何かといったら寝取られな気がします。
寝取られが効果的な場合と意味のない場合
もちろん全員が寝取られによって興奮が甦ってレスを解消できるわけではありません。個人差が非常に大きいです。効果があるパターンとないパターンをいくつか挙げておきます。
寝取られがレス解消に効果があるパターン
- 夫婦の双方がセックスを楽しめる感覚を持っている
- 寝取られたときに妻が興奮している
- 夫婦間でしたことのないプレイをされる
- 寝取った男性がイケメン(※1)
(※1)汚らしい男に抱かれる妻に興奮するという性癖の夫の場合はこの限りではありません。
寝取られがレス解消にならないパターン
- そもそも夫に寝取られ気質が全くない
- 妻が無反応、または割り切りすぎて全く恥じらいがない
- 寝取りにきた男が不細工または緊張している
- セックスレス解消のためという意識を強く持ちすぎている
寝取られのリスク
寝取られはセックスレス解消に早い段階で効果を発揮する手段です。ただし非常にリスクが高い方法でもあります。
精神的なショックが残る
寝取られをした後にどのような感情が芽生えるかは人によって全く違います。期待通りに夫婦双方の興奮が復活したり新たな性癖に気づくという人もいます。
しかし、たとえ夫婦間で決めたことであったとしても行為の後で急激に落ち込んだり、後悔が残り続けることもあります。
男女の性欲には違いがあります。基本的に寝取られで興奮するのは男性です。女性は自分が寝取られても、夫が寝取られても興奮する人は少ないです。精神的ショックを受ける可能性のほうが高いと思っていたほうが良いです。
病気・妊娠の可能性
避妊したとしても妊娠したり性病をうつされるリスクはあります。
そしてネットの掲示板などで募集した相手の場合は素性が分かりませんからトラブルが起こった際に逃げられる可能性が高いです。
盗撮・つきまといのリスク
プレイ中の動画や画像をこっそり撮影する人もいます。そしてそれを販売する人もいます。
個人的に楽しむために保存したとしても流出のリスクがあります。
また寝取りにやってくる単独の男性というのは基本的にモテない人が多いので、その後もしつこく連絡をしてきたり、こっそり後をつけてきて自宅や職場を特定されるリスクがあります。
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レス解消のために寝取られを検討している人へ
レス解消のために寝取られを検討していると相談に来る方もいます。
そんな方に必ずアドバイスすることはまともな単独男性を見つけるのは非常に難しいということです。
NTR掲示板にいるのはモテない男だらけ
寝取られを考えたときに相手を募集するのはネットの掲示板だと思います。募集をかければ10件以上のメッセージが届きます。
「寝取られ経験豊富です」とか「顔は悪くないと言われます」とか「テクニックあります」とかいうメッセージがきます。
またセックスセラピスト、性感マッサージ師なる痛い肩書を自称する人もいます。
しかし期待しているような男性と出会える確率は10%未満です。掲示板にいる男性の90%以上は女性経験の少ないただヤリたいだけの人なのです。
あなたがた夫婦が何度もネットで他人と会ったことがあり、まともな相手を見極められるのでない限りはかなり危ない行為と思ってください。
知り合いに寝取らせるリスク
掲示板で他人を募集するのが危険なら知り合いに寝取ってもらおうと考える人もいるでしょう。
信用できる相手なら黙っていてくれると期待するかもしれません。
しかしほぼ確実に仲間内にバレます。あなたが「Aさんは口が堅いから秘密をしゃべっても大丈夫」と思っていても、Aさんにもそう思うBさんがいるのです。そしてBさんにもそう思うCさんがいます。
これが絶対に秘密のはずの話が拡散する仕組みです。
寝取られの話が仲間内に広がれば「淫乱な妻」という認識で見られます。そして他の人からも誘われることになるでしょう。
海水浴場や混浴温泉が寝取られの代償行為になることもある
寝取られの相手を探すのは非常に難しいということです。
それでも探したいというのであれば、カップルを探しましょう。少なくとも一人の女性から評価されているということですから、単独で参加している男性よりもはまともである可能性が高いです。
とはいえ寝取られは非常に危険な賭けであることに間違いはありません。
他のレス解消法を全て試したうえで最後の手段として考えるべきでしょう。どんな結果になっても絶対に後悔しないという確信が持てないならやめておきましょう。
海水浴場やプール、混浴温泉といった他の男性の目がある場所に一緒にいくだけでも、寝取られと同じような心理を持てる可能性はあります。
参考文献
・Sarah J. Kilgallon and Leigh W. Simmons.Image content influences men’s semen quality Sarah J. Kilgallon and Leigh W. Simmons.Biol. Lett. (2005) 1, 253–255 doi:10.1098/rsbl.2005.0324
・Pham, M. N., Barbaro, N., Holub, A. M., Holden, C. J., Mogilski, J. K., Lopes, G. S., Nicolas, S. C. A., Sela, Y., Shackelford, T. K., Zeigler-Hill, V., & Welling, L. L. M. (2018). Do Men Produce Higher Quality Ejaculates When Primed With Thoughts of Partner Infidelity? Evolutionary Psychology, 16(1). https://doi.org/10.1177/1474704918757551
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