なぜ女性はイッたふりをするのか？相手の浮気を疑っているからである

女性がイッたふりをする理由は様々です。

夫や彼氏に気を使ってとか、痛いのでさっさと終わらせるためということもあります。

また、相手の浮気を疑っている女性ほど、イッたふりをするという研究もあります。

今回はそこの話をしたいと思います。

女性のイクという現象は遺伝子の選別のため？

女性は男性と違ってイカなくとも子孫を残すための行為は完了します。

それにも関わらず、イクという機能が備わっているのはなぜでしょう？

ひとつの仮説は「女性のオーガズムはなぜ存在するのか？「ミスター・ライト仮説」とは何か」の記事でも紹介した通り、イカせてくれる男は生活面でも尽くしてくれる良い相手だろうと判断するための機能というものです。

他には「Selective sperm retention（選択的精子保持）」のためという仮説もあります。

女性のイクという現象が遺伝的に優れた男性の精子を保持し、受精の成功率を高めるための機能を果たしているというものです。この仮説は良い男とのセックスほどイキやすい現象の説明として用いられることがあります。

これらは進化心理学などでよくいわれる仮説に過ぎませんので、科学的根拠は示されていませんが、女性のオーガズムに何らかの意味があるのだとしたら、遺伝子の選別が関係しているのではないか、という話はよく出てきます。

また、物質的利益やパートナーの関心を引き続けるための手段として、イクという現象が起こるといわれることもあります。

男性は女性がイクと満足させられたと感じるので、自信につながります。それが自分自身の性的満足度まで高めてくれるので、他の女性と浮気しようという気が起こりにくくなります。

また、女性が自分とのセックスに満足しているという確信を持つことで、他の男と浮気をしていないだろうと安心できます。

つまり生まれてくる子供は自分の遺伝子を持った実子であると判断できるため、しっかりと面倒を見ようという気持ちになります。

逆に女性がイカないと、男性の満足度が下がったり、浮気を疑われて、自分のために尽くしてくれなくなる可能性が高まります。それだけではなく、他の女の元へと去ってしまうリスクもあります。

女性はこれらのリスクを理解しているので、イッたふりをするのではないかといわれることもあります。

女性がイッたふりをするのは上記のリスクを認識しているからではないかということを調べた、ニューヨーク州精神医学研究所の研究者らの調査があります。

この調査では453人の異性愛関係にある女性（平均年齢21.8歳）を対象に以下の項目を聞き取りました。

回答を分析したところ、まず全体の53.9%の女性が、現在のパートナーとの性行為中にイッたふりをしたことがあると回答しました。

そしてこの傾向はパートナーの浮気を疑っている女性ほど強いことも分かりました。

また、イッたふりをしたことのある女性ほど、関係維持行動を多くしていることも分かりました。

他の女性と一緒にいるか確認するために突然電話をしたり、他の女性に興味のある素振りを見せたときに怒ったり、自分たちが恋愛関係にあることを公にアピールするような行動を取っていたのです。

これらの結果は、パートナーの関心を引き続け、関係を維持するための戦略的選択として、女性がイッたふりをしている可能性を強く示唆しています。

もちろん女性がイッたふりをする理由は他にも複数あります。

たとえば、愛情や関心を示したり、喜ばせるためといった動機もあります。

過去の研究ではオーガズムを偽る女性の多くが、罪悪感を感じながらもパートナーを満足させることが重要だと答えています。

分かりやすくいえば空気を読んでイッたふりをしているのです。

男性が必死でイカせようとしている姿に滑稽さを感じて、笑いを耐えられないのでさっさとイッたことにするという女性もいます。

女性がイッたときの反応も個人差がありますから、男性は演技をされてもなかなか気づかないものです。

しかし、いつも演技をしていると女性の性的満足度が低下し、それが関係満足度の低下につながることもあります。

ずっと一緒にいるつもりであれば、性について正直なコミュニケーションを持つことも大切です。

参考文献：Kaighobadi F, Shackelford TK, Weekes-Shackelford VA. (2012). Do women pretend orgasm to retain a mate?