夫婦生活の頻度と幸福度には相関があるといわれています。つまりセックスの回数が多い夫婦ほど幸せを感じているということです。
ならば回数が少ない夫婦は意図的に増やしたら幸福度は上がるのでしょうか?
日本人は性交回数が世界最低レベル
2018年に相模ゴム工業が1ヵ月あたりのセックスの回数を調査したところ平均回数は2.1回となっていました。年代別では20代が4.3回で最も多く、30代が2.6回、40代が1.9回と続きます。
日本は世界的に見てもセックスの回数が少ないといわれています。
イギリスのコンドームメーカーdurexの調査でも日本人の年間平均性交回数は48回と対象となった国の中で最下位でした。ちなみに1位はギリシャの164回です。
理想的な夫婦生活の頻度
では実際にどれくらいの頻度で夫婦生活を行うと幸福度が高くなるのでしょうか?
トロント大学が30,645人を対象に性交頻度と幸福度について調査した論文があります。それによると性交頻度が増えるにつれ幸福度も高まることが分かりました。

しかし週に1回ペースを超えたあたりから幸福度が下がり始めました。頻度が増えることによってセックスそのものが義務になってしまうことが原因として考えられます。
頻度を増やすとどうなるのか?
さきほどの調査から夫婦生活の頻度は負担を感じずに済む週に1回程度がちょうど良いと分かりましたが注意が必要です。
「自分たちは2週間に1回しかしていないから増やさなければ」と考えるのは危険です。
カーネギーメロン大学の研究者が実験に協力してくれる夫婦を募集して性交の回数を増やすと幸福度が上がるかということを確かめました。
この実験では35歳以上65歳未満で性交頻度が月1回以上から週3回以下の夫婦を集めました。そして性交の回数を2倍に増やすグループと増やさないグループに分けて3ヵ月の調査を行いました。
この実験の結果、回数を2倍に増やしても幸福度は増さないことが分かりました。それどころか下がることもありました。またセックスそのものに対する喜びが低下することも分かりました。
実験のために指示されたから頻度を増やしたことが強制されているような気分につながってしまったことが原因と考えられます。
最適な頻度は夫婦によって違う
今回紹介した研究以外でも夫婦生活の頻度は週に1回くらいが最適という結果のものはいくつかあります。
だからといって「それくらいしなければ」と思ってしまうとお互いが義務のように感じてしまいセックスに嫌悪感を持ってしまうこともあります。
お互いにとってちょうど良いペースを見つけることが大切です。
適度な禁欲によって性欲が高まることもあるのです。禁欲は夫婦の営みを増やす効果もあるとされています。
参考にした論文
Sexual Frequency Predicts Greater Well-Being, But More is Not Always Better.
Does Increased Sexual Frequency Enhance Happiness?