結婚していたり、交際が長期に渡ると、夫や彼氏以外の人にときめいてしまうこともあるでしょう。
中には他の人を見てドキドキしてしまう自分に罪悪感や羞恥心を感じてしまう女性もいるかもしれません。
しかし、夫や彼氏以外の相手に惹かれてしまうのは自然なことです。多くの人が経験していることなのです。
そして、そのような経験が現在の恋愛関係に良い影響を及ぼすこともあるのです。
夫や彼氏以外の人にドキドキする?
コロンビア大学などの研究者たちが、160人の女性を対象に夫や彼氏以外の男性にドキドキしたことがあるかを調べた研究があります。
対象となったのは特定のパートナーと5年以上の関係にある19歳から56歳までの女性です。
この調査では主に以下の質問について自由形式で回答してもらっています。
- 他の人にドキドキした経験について教えてください。
- その感情をどのように管理しましたか?
- 他の人へのときめきが現在のパートナーへの欲望に影響を与えましたか?
- その感情をパートナーに伝えましたか?
これらの質問を通じて、女性が夫や彼氏以外の男性にドキドキしたとき、どのような感情を抱き、それをどのように処理しているのかを詳細に分析しました。
夫や彼氏以外の人にドキドキしたことある人は約70%
この調査結果によると、他の人にドキドキした経験を持つ女性は全体の約70%いることが分かりました。
主に職場の同僚や、親しい男友達に対して、頭の良さや見た目の良さを感じたとき、ドキドキすることが多いようです。
FacebookなどのSNSを通じて昔の恋人と再会したことで、恋愛感情が再燃するケースも報告されています。
他の人へのドキドキがパートナーへの欲望を高めることも
他の男性に対するドキドキが現在の関係に与える影響は個々の女性によって異なります。プラスの影響が出る女性もいれば、マイナスの影響が出る女性もいるのです。
プラスの影響としては現在のパートナーに対する性的関心や情熱の増加が挙げられます。これは、他の男性へのトキメキが刺激となり、そのエネルギーがパートナーとの関係にポジティブに転換されるため発生する現象です。
一方でパートナーに対する欲望を減少させる場合もあります。特に他の男性がパートナーよりも魅力的に感じられる場合、無意識に比較し、低評価を下すことで現在の関係への関心が減少してしまうのです。
これが原因となって恋愛関係が破綻する可能性もあります。実際に他の男性にドキドキしたことによるパートナーへの欲望の減少が破局を招いたという女性もいました。
他の人へのドキドキをどう処理しているのか?
とはいえ、夫や彼氏以外の男性にドキドキしたからといって、何かが変わったという女性のほうが少数派です。
多くの女性はたとえときめいてしまったとしても、自分の中できちんと感情を処理しているのです。
具体的な対処法としては、パートナーとのコミュニケーションを増やしたり、ドキドキしてしまう相手との距離を置くようにするといったことをしています。
また、自分の感情を冷静に分析したり、浮気がどんな不利益につながるか考えることで落ち着きを取り戻しています。
他の人へのドキドキをパートナーに向けるように意識するという女性もいました。
夫や彼氏に言うべきか?
当方に相談に来る女性の中にも、夫や彼氏以外の男性にドキドキしてしまうという人は少なくありません。
そして、それを夫や彼氏に伝えるべきかと悩む人もいます。
当方はセックスレスの悩みで来る女性が多いですから、他の男性へのトキメキを伝えることで嫉妬心を煽ることができるのではないか?と期待するのです。
確かに寝取られ願望を明確に持つ男性であれば有効かもしれません。妻や彼女が他の男性に取られるかもしれないという感覚が性欲に結びつくこともあるでしょう。
しかし、そうでないなら関係が悪くなるリスクのほうが高いといえます。浮気を疑われたり、怒りを買う可能性の方が高いでしょう。「冷められた」と感じさせ男性としての自信を喪失させてしまうこともあります。
今回の調査でも他の男性にドキドキしたことを話すという女性はほとんどいませんでした。伝えているのはそういった事柄に関してオープンな関係を築いているという女性くらいです。
悩むのは客観性を失っている証拠
そもそも、他の男性にドキドキしたことを夫や彼氏に伝えるべきかどうか悩んでしまうのは、関係に対する客観的な評価ができなくなってしまっている証拠です。
セックスレスや愛情の冷めた状態が継続していることで、ヤケクソになっていたり、藁にもすがる思いになっていて、冷静な判断力を失っているのです。
多くの女性にとって他の男性へのドキドキは自然な感情です。人間の脳の仕組みを考えれば一生同じ相手にドキドキし続けるほうが不可能です。
とはいえそれは単なる一時的な感情であることがほとんどです。
カップル間の問題が生じていると、おかしな判断をしてしまいがちですが、冷静にならなければいけません。
参考文献:Mullinax M, Barnhart KJ, Mark K, Herbenick D. (2016). Women’s Experiences With Feelings and Attractions for Someone Outside their Primary Relationship.