愛情を感じない人はネガティブな信念を変えれば良い

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当方にも男女関係を改善したいという相談が寄せられる機会は極めて多いです。

そこでよく言われることが「夫(or妻)からの愛情が感じられない」というものです。

自分ばかりが関係を良くしようと努力しているけれど、相手は何もしてくれない、向き合おうとしないと感じているのです。

そして「もう別れた方が良いのでは」と考えてしまうこともあります。

しかし、完全に愛情がゼロというケースは少ないです。あなたが見ていないだけなのです。

「愛情を感じない」と思うことが相手の態度をマイナスに評価することにつながっているのです。

愛情を感じない人は「確証バイアス」が生じている

人間は自分の考えや信念が正しいと思いたい生き物です。

間違っていると思うのは自分を否定することですから脳が不快に感じます。

そのため、物事の見方に歪みが生じます。自分の考えを肯定するような情報にばかり注目するのです。

例えば白い車が流行っていると思えば、白い車ばかり注目して、「やっぱり多いのだ」と判断するということです。

このような偏見を心理学で「確証バイアス」と呼びます。

確証バイアスは夫婦関係や恋人関係でも起こります。

パートナーから愛されていると思っている人は、自分のためにしてくれたことに注目します。

反対に愛されていいないと思っている人は、パートナーがしてくれなかったことにばかり注目するのです。

パートナーの態度は同じでも受け取り方で、愛情の感じ方が変わってしまうのです。

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ポジティブな期待をしている人ほど、してもらえる

恋愛関係にある男女間で確証バイアスが発生することはウェスタン大学のサマンサ・ジョエル博士らの調査でも判明しています。

この調査ではカップルに、パートナーへの期待と、実際にしてもらった関係促進のための行動、を記録させました。

関係促進のための行動とは、話を真剣に聞いてくれたり、相談に乗ってくれることです。

それらの記録を分析したところ、ポジティブな期待をしている人ほど、パートナーから関係を促進する行動を多くしてもらっていることが分かりました。

一方で、ポジティブな期待をしている人は、パートナーからも、きちんと気持ちを伝えてもらえないなど、マイナスな行動を多く取られたと記録していました。

パートナーはきちんと向き合ってくれるだろうと期待している人は、パートナーのプラスな行動を認識しやすいということです。

期待がパートナーの行動を変えたのではない

上記の調査を見て、期待が伝わりパートナーの行動を変えたのでは?と思うかもしれません。

実際にそういったことは起こり得ます。

しかし、今回の調査では双方が自分自身の行動についての記録もつけています。

そして自分が関係促進のための行動が少ないと記録していたとしても、相手がポジティブな期待をしている場合には、そういった行動をしてくれたと認識されやすいことも分かっています。

確証バイアスが発生しているということです。

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してもらったことに注目すれば愛情を感じられる

そんなこと言っても私の夫は本当に愛してくれていないの!という人もいるかもしれません。

しかし本当にそうでしょうか?

当方に相談に来ているカップルに別々に話を聞くと、どちらか一方だけが「愛情を感じない」と言うこともあります。

しかし、もう一方に話を聞くと、とても愛しているケースが多いです。(そもそも愛が全くなければ関係を改善するためにカウンセリングに来ないので当然かもしれませんが)

人によって愛情表現の手段は異なります。恥ずかしかったり、不器用だったりすることもあります。

妻に心地よくいてもらうために、仕事で嫌なことがあっても愚痴は伝えないという不作為の愛情表現もあるのです。

してもらえなかったことではなく、してもらったことに注目することで、愛情を感じられるようになるのではないでしょうか。

不快な環境を変えることも効果的

愛情を感じるために認識を変えようと思ったとき、環境を変えることで効果が高まることがあります。

ストレスの多い環境ではネガティブな期待を持ちやすく、相手を悪く評価してしまいがちなのです。

例えば、カールトン大学のジョアンナ・ピーツ博士らの研究では、経済的な不安がある状況ではパートナーの悪い行いばかり思い出しがちになることが分かっています。

意見の相違があった時などに協力的ではなかった、といったような否定的な態度に注目してしまうのです。

経済的な問題に限らず、不安や不快な気分は相手に対する悪い評価につながります。

なぜなら人間はそのときの精神状態に合った評価をしがちだからです。

愛情を感じないという人は自分が相手に対して持つ信念と、環境を見直してみましょう。

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<参考文献>
・Joel, S., Maxwell, J. A., Khera, D., Peetz, J., Baucom, B. R. W., & MacDonald, G. (2023). Expect and you shall perceive: People who expect better in turn perceive better behaviors from their romantic partners. Journal of Personality and Social Psychology, 124(6), 1230–1255.
・Peetz, J., Fisher-Skau, O., & Joel, S. (2024). How individuals perceive their partner’s relationship behaviors when worrying about finances. Journal of Social and Personal Relationships, 0(0).