身体的な問題以外でセックスが怖いと感じるとき、過去のトラウマが原因となっていることが多いです。
強引にされたり、乱暴なプレイをされたり、コンプレックスを刺激されるような言葉を投げかけられたりするとそれがいつまでも残るものです。
しかしこのような明確な原因がないにも関わらず、セックスを怖いと感じているなら育った家庭環境に問題があるかもしれません。
自分で気づいていなくとも機能不全家族だったかもしれないのです。無意識に「セックスは怖いもの」という刷り込みがなされたのです。
機能不全家族とは
機能不全家族とは親が本来の役割を果たしていない家族のことです。
分かりやすいものでは虐待やネグレクトのある家庭が該当します。
異常なほど過保護だったり、進路や友達付き合いについて子供に選択肢を与えないケースもそうです。
子供の自信を失わせたり、自尊心を傷つけるような言葉を投げつけるといったこともあります。
また両親が不仲で常に喧嘩をしているのも面前DVという虐待ですから該当します。
☑︎セックスが嫌いな原因は初体験にある!スキーマを変えれば良いかも
セックスを怖いと思う原因
機能不全家族が厄介なのはそこで育てられる子供がそれに気づかないことです。
他所の家庭と比べることはないですから、酷いことがあっても家族はそれが当たり前と思ってしまうのです。
こうして無意識に受けた悪影響は大人になってから出ることもあります。セックスが怖いと思ってしまうのもその影響の一つです。
どんなパターンがあるのかいくつか事例を挙げます。
不幸な母親からの刷り込み
夫の愚痴を子供に聞かせる母親がいます。「結婚したせいで不幸になった」「男は女を痛めつける存在」と言い続けるのです。
このような行為の裏には「娘だけ幸せになることは許さない」という心理が隠されていることもあります。
無意識に「男性=悪」と刷り込まれると、男性と結びつく行為であるセックスに恐怖心を抱くのです。
セックスは悪いという価値観の押し付け
性に対して厳格すぎる家庭で育つと、セックスを無意識に恐れることがあります。
性的な疑問をぶつけたり、ラブシーンのあるアニメを見ているのを怒られたことはないでしょうか?
そのときのショックが残っていると成人後にセックスをするときも「怒られるのではないか」という潜在意識が出てくるのです。
親からの性的虐待
親からの性的虐待がセックスに恐怖心を持たせることはよくあります。
直接的な行為だけではなく、着替えを覗かれたり、卑猥な言葉を吐かれたりすることも原因となります。
このような体験をすると無意識に彼氏や夫に父親を投影し恐怖の感覚が甦るのです。
親のセックスを見てしまった
母親が強引に性行為をさせられる姿や、子供の前でかまわずにする姿を見せられることもトラウマとなります。
このような体験がセックスという行為だけでなく、ベッドや寝室といったものに対する嫌悪感を抱かせることもあります。
また機能不全家族に限ったことではありませんが、たった1回でもアクシデント的に親のセックスを見てしまったことで恐怖心を抱くこともあります。
恐怖心とまではいかないけれど特定の体位だけは嫌悪感があるという場合にはそのときの光景が関係していることもあります。
セックスだけではなく人生そのものが困難に感じる
機能不全家族で育つとセックスが怖いと感じるだけではなく、人生そのものに困難を感じることがあります。
アダルトチルドレンとは
機能不全家族で育ったことで、成人後も生きにくさを感じている人のことを「アダルトチルドレン」といいます。
自己肯定感が低く、仕事や人間関係がうまくいかないといった特徴があります。
アダルトチルドレンとなる原因の多くは愛着が形成されないことです。
愛着とは親との間に結ばれる特別な絆であり、産まれてから最初の数年で「どんな自分でも受け入れてくもらえる」という感覚を持つことで形成されます。
愛着が自信となり、家族以外の他人とも健全な関係が築けるようになるのです。
機能不全家族では愛着が形成されませんから、自分に自信が持てないまま大人になるため、仕事や人間関係で難儀するのです。
セックスは怖いけど頻繁にする
機能不全家族で育ったからといって必ずセックスが怖くなるわけではありませんし、怖いからといって行為自体をしないとも限りません。
アダルトチルドレンの場合はむしろ頻繁にするということもあり得ます。
自分には価値がないと考え自暴自棄になり、誰にでも簡単に体を許してしまうのです。
また自分を依存させてくれる相手が離れていかないようにするための手段としてセックスを使うこともあります。
「セックスしなければ異性を繋ぎとめることが出来ない」という思い込みを持っているのです。
自分を傷つけたいという衝動によって誰彼構わずにセックスをすることもあります。
「新婚のセックスレスと愛着」の記事でも説明したように、愛着の問題はセックスに様々な影響を与えます。
「果たしてそれは本当に正しいのか?」と疑う習慣を
セックスが怖いという原因が育った家庭環境にある場合には根本的な部分から見直さなければなりません。
性行為だけにフォーカスしても解決にはならないのです。
幼少期に知らないうちに刷り込まれてしまった誤情報と、それによって自動的に生成される思考を変えなければなりません。
セックスに限らず日常生活の中でネガティブな思考が出てきたときに、まずは「果たしてそれは本当に正しいのか?」と疑うことから始めてみてください。
それだけでも自分の認知がかなり歪んでいることに気づけると思います。