セックス中に叩いたり、首を絞めたり、罵ったりと乱暴なプレイをする男性がいます。
たとえ同意のうえであったとしてもこのようなプレイが好きということは残虐な性格が隠されているのではと不安になるかもしれません。
本当は暴力を振るいたいけれどそれができないのでセックスにぶつけているのではと…
やがてDVに繋がるのではないかと心配になる女性もいるでしょう。
実際のところ乱暴なセックスをする男性はどんな心理を持っているのでしょう?
攻撃性によって乱暴なセックスをするならDV予備軍かもしれない
乱暴なセックスをする心理の一つに攻撃性があります。
これは誰かに直接的な暴力を振るいたいという衝動に限りません。
女性に対する嫉妬心や怒り、浮気しているのではという妄想の持ちやすさも含みます。
このような衝動を乱暴なセックスで満たそうとする男性はDV予備軍の可能性があるといえます。
最初は女性の同意を得て叩いたりしていたのがやがて自分勝手にするようになったり、女性がセックスそのものをしたくない時でも強引にするようになるでしょう。
そしてケガをするほど激しい暴力へとつながっていくのです。
相談を受けている中での感覚としては男性に依存しやすい女性はこういった暴力の被害者になりやすい気がします。
乱暴なセックスをする人の多くは新奇性を求めているだけ
実はここまで説明してきた攻撃性による乱暴なセックスですが、割合としては少ないです。
ニューヨーク州立大学オスウェゴ校のレベッカ・バーチ博士らの研究でも攻撃的な動機によって乱暴なセックスをする人は一部に過ぎないことが分かっています。
この研究では700人以上の男女を対象にラフセックス(乱暴なセックス)とそのきっかけやその他の素因について調査しています。
その結果、性的な新奇性の追求とラフセックスには相関がありました。
つまりプレイに新しい刺激を求めている人ほどラフセックスをしているということです。
マニアックなプレイの一環として乱暴なセックスをしている
上記の分析結果から乱暴なセックスをする人の多くは暴力を振るいたいのではなく刺激や興奮を求めていると考えられます。
乱暴なセックスをする人は公共の場でのセックスやおもちゃの使用、ポルノの閲覧をする傾向も高いことも分かっています。
これらも性行為に新奇性を求めることの表れといえます。
つまりほとんどの人が暴力行為としてではなく、マニアックなプレイの一環として乱暴なセックスを行っているということです。
なのできちんと同意を取ったうえでプレイとして行っているのであればそれほど心配する必要はないと思います。
もちろんあなたが苦痛を感じているのであれば断るべきですが。
SM好きは安定した愛着スタイルを持っている
余談ですがSMプレイの愛好家はそうでない人と比べて安定した愛着スタイルを持っているということがアントワープ大学の研究で分かっています。
一昔前は「幼少期の虐待経験がSMという性癖に現れる」などと言っている人もいたのですが、虐待経験とSMを好むかどうかにも相関はありませんでした。
ただし先に説明した攻撃性による乱暴なセックスと幼少期の家庭環境は無関係とは言い切れません。これに関してはまた別の機会で説明できればと思います。
夫婦で刺激的なことに挑戦すると興奮が増してマンネリを解消できるという研究もありますから、特殊なプレイを取り入れることがレス解消につながることもあるかもしれません。
参考文献
・Rebecca L. Burch & Catherine Salmon. (2022). Rough Sex and Pornography Preferences: Novelty Seeking, Not Aggression.
・S. Ten Brink, V. Coppens, et al. (2021).The Psychology of Kink: a Survey Study into the Relationships of Trauma and Attachment Style with BDSM Interests.