妊活中の性行為の頻度に影響を与えるもの。年齢、学歴、夫の運動習慣など

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妊活中のカップルにとっては性行為のタイミングだけではなく頻度も気になるところです。

回数が多いほうが妊娠する確率が高いことはデータからも分かっています。

とはいえ、カップルによって頻度はバラバラです。

あなたがもっと増やしたいと思っていてもパートナーはそう思っていない可能性もあります…

そんな時に無理に誘うとセックスレスの原因となりかねません。

そこで今回は妊活中のカップルの性行為の頻度を予測する要因は何か?というお話をしたいと思います。

ハーバード大学公衆衛生大学院のオードリー・ガスキンス博士らが調べてくれております。

妊活中の回数の中央値は6回

この研究では妊活中のカップル約500組を最大で1年(又は妊娠するまで)に渡り調査しています。

年齢や職業、学歴、ライフスタイルなどと共に、性行為の頻度についての情報を提供してもらったのです。

性行為の頻度については日記で記録しているので、かなり正確なものといえます。

まず分かったこととして、一ヵ月あたりの性行為の回数の中央値は6回でした。全体の半数は4回から9回の間に収まっています。

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妊活中の性行為の頻度を予測するもの

そして何がカップルの性行為の頻度を予測するかということですが、これは以下のように複数の要因がありました。

年齢が上がると性交頻度は落ちる

研究の結果、最も顕著な要因の一つは年齢でした。

男女ともに年齢が増すごとに性行為の頻度が減少するという傾向が見られます。

具体的には男性の年齢が1歳増加するごとに性行為の頻度が約1.7%減少し、女性の年齢が1歳増加するごとに約0.8%減少しました。

この年齢による減少は、加齢に伴う性欲の低下、体力の減退、さらには性機能の変化が原因とされています。

特に男性においては年齢とともに勃起不全のリスクが高まることが影響していると考えられます。

これに対し、女性では更年期以降に性欲が減少する傾向が見られますが、妊娠を目指す年齢層ではまだその影響は限定的です。

交代制勤務のカップルは性行為の頻度が低い

カップルの職業や勤務スケジュールも、性行為の頻度に影響を与えることがわかっています。

特に両方が交代制勤務をしているカップルでは、性行為の頻度が約39.1%も低くなるという結果が得られています。

これは不規則な勤務時間が性交の機会を減少させることや、交代制勤務が体内時計のリズムを乱し、性欲に悪影響を与えることが原因と考えられます。

また、すれ違いが増えることでコミュニケーションの時間が減りストレスが増加することも一因といえます。

メンタルヘルスと性行為の頻度

男性のメンタルヘルスも重要な要素でした。不安障害や気分障害を抱える男性は性行為の頻度が約26%も低下することが明らかになっています。

精神的な不調が持続することで日常生活全般にわたって活力が低下し、その結果として性欲も減少することが原因と考えられます。

特にうつ病や不安障害の症状が重い場合、性的な興味や欲望が低下し、パートナーとの性的関係が希薄になることもあります。

一方で、これらの問題がきちんと治療されている男性には性交頻度の低下は見られませんでした。これは治療によって脳内の神経伝達物質のバランスが改善され、精神状態や性欲が正常化するためと考えられます。

また、専門家による心理的なサポートを受けることでストレスの軽減や自己肯定感の向上が図られ、それが性機能の回復にも寄与していると考えられます。

学歴との関連性

意外なことに学歴の影響もありました。学歴の低い女性、特に高卒以下の女性は大卒以上の女性に比べて性行為の頻度が約34.4%高かったのです。

この傾向は男性にも見られましたが、統計的に有意というほどではありませんでした。

これは学歴の低い人々の方が「女性は求められたら応じるべき」などの伝統的なジェンダーバイアスを持っている可能性が高いことが原因と考えられます。

また、学歴の高い人々が仕事などに時間を費やし、セックスの機会が減少することも一因です。

さらに、学歴の高い人々は精神的なストレスの多い職業に就いていることが多く、これが性行為の頻度の低下につながっている可能性もあります。

男性の運動習慣の影響

定期的に運動を行っている男性は性行為の頻度が約13.2%高いことも分かりました。

特に週に3〜4日運動を行う男性の頻度が最も高かったです。

これは運動が男性のテストステロンレベルを上昇させ、性欲を高める効果があることに起因していると考えられます。

また、運動はエンドルフィンの分泌を促進し、ストレスを軽減することで性機能にも良い影響を与えるとされています。

※飲酒や喫煙が性機能に影響するという研究もありますが、今回の調査ではそれらが性行為の頻度に影響するという結果は得られませんでした。

まとめ

ここまで見てきたように妊活中のカップルの性行為の頻度を予測する要因は様々です。

変えようのないものもありますが、メンタルヘルスを健全に保つことや、運動をするなどのように、変えることのできる事もあります。

性行為の頻度が少ないように感じているカップルはぜひ参考にしてみてください。

ちなみに過度の運動は体に負担をかけ、ホルモンバランスを乱し、性欲を低下させる可能性があるため、適度な運動が推奨されます。

今回の調査でも週に5日以上運動する男性の場合は頻度が低下する傾向が見られました。(参考:運動と性欲の関係!強度によって効果が変わる

参考文献:Gaskins AJ, Sundaram R, Buck Louis GM, Chavarro JE. (2018). Predictors of Sexual Intercourse Frequency Among Couples Trying to Conceive.

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