性的興奮を高める簡単な方法は目を合わせること

セックスレスの夫婦はちょっと振り返ってほしいのですが普段お互いの目を合わせる機会はどれくらいあるでしょうか?

「そういえば夫と全然目を合わせてないな」と思い出す人が意外と多いのですが、実は目を合わせる機会が少ないことがお互いの性的興奮を下げている可能性があるのです。

逆に目を合わせる機会を増やすことでセックスレスの解消につながることもあります。

すぐに解消できなくてもお互いに対する性的興奮や恋愛的なドキドキが復活する可能性もあります。

目を合わせると性的興奮が増す

目を合わせることで初対面の人同士でもお互いを魅力的だと評価することも分かっています。

古いですが米国クラーク大学の視線を合わせることの効果を確かめた実験があります。

この実験では参加者をペアにし、ペアごとに次のうちのどれかを行わせました。

  • お互いの手を凝視する
  • まばたきを数える
  • 目をじっと見つめる

この実験の結果、目をじっと見つめたグループは相手の魅力を高く評価し愛情も感じたということが分かりました。

その他の実験でも目を合わせる機会の多いカップルほど性的興奮が高いという結果のものがあります。

脳の反応が変わる

なぜ目を合わせると相手の魅力を高く評価したり性的興奮が高まるかというと脳に変化が起こるからです。

他人の目を見続けているとき脳内で何が起こるかということをMRIで調べると感情を司る扁桃体への血流が増えることも分かっています。

つまり興奮してドキドキしやすいということです。

オキシトシンやフェニルエチルアミンという愛情に関係するホルモンの分泌が促されることも分かっています。

脳は原因と結果を区別しない

日本人はシャイなのであまり目を合わせない人が多いです。

セックスの頻度に関する世界的な調査で日本は低い順位となっていますが、もしかしたら目を合わせる機会が少ないことで興奮しにくくなっていることも原因かもしれません。

とはいえ外国人であっても会話中にずっと目を合わせてるわけではありません。

文化人類学者や微表情分析の専門家が様々な文化圏でアイコンタクトについて調査を行っていますが長く目が合っている状態はどんな文化圏でも不快に感じる人が多いことも分かっています。

人間を含む動物がずっと目を合わせるというのは敵意を向けたという意思表示になるからです。しかし親しい間柄であれば長い時間にわたって目が合い続けても争いは生じません。

人間の脳は原因と結果を区別しないといわれることもあります。

つまり目が合っていても親密な関係だから争いが起こらないと判断することもあれば、目が合っているのに争いが起こらないのは親密な関係だからだと判断することもあるのです。

目を合わせるとトリップする

何年か前に「両思いになれる36の質問」というのが英語圏で流行ったことがあります。吊り橋効果の実験(※1)で有名なアーサー・アロン博士らが考えたものです。

お互いに関する36の質問をした後に4分間見つめ合うことでお互いに対する好意が芽生えるというものです。この実験に参加した人の中で結婚までいった人たちもいたということで話題になりました。

36の質問と目を合わせる実験

ほかの実験では質問をしなくても目を2分間合わせ続けるだけで好意を抱きやすくなるという結果が出ているものもあります。

少し危険な話では10分間見つめあうことによってアルタード・ステイツ現象というトリップ状態を体験できたという実験もあります。目を合わせるというのはそれだけ強力な効果をもたらすのです。

(※1 吊り橋を渡るドキドキ感を一緒にいる異性へのドキドキと勘違いするという錯誤帰属の効果を証明した実験。ただし美人やイケメンが相手でないと発生しにくいということが後の研究で判明している)

久しぶりにドキッとさせてみましょう

セックスレス状態になっているカップルは目を合わせる時間を増やしてみてください。

自分から目を合わせればパートナーも合わせるでしょうし性的興奮を高める効果もあると思います。

じっと見つめることで久しぶりにドキッとさせることもできるかもしれません。

またあなた自身がパートナーに対する新たな魅力に気づく可能性もあります。

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参考文献
・Dumas T, Dubal S, Attal Y, Chupin M, Jouvent R, Morel S, et al. (2013) MEG Evidence for Dynamic Amygdala Modulations by Gaze and Facial Emotions.
・Kellerman, J., Lewis, J., & Laird, J. D. (1989). Looking and loving: The effects of mutual gaze on feelings of romantic love.
・Caputo GB. (2015). Dissociation and hallucinations in dyads engaged through interpersonal gazing.

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