性欲を上げる食べ物(エビデンスのあるもの)

性欲の高まる食べ物

男性も女性も性欲低下や性機能不全になったとき精力増強効果があるとされる食品やサプリメントに頼る人がけっこういます。

セックスレスの相談にくる人の中にも夫の性欲が高まるように夕飯のメニューに精力のつくものを増やしているという人もいました。

しかし食べ物に性欲を増す効果があるということを科学的に証明した実験は少ないです。今回はその効果について実験データの存在する食べ物をいくつか紹介します。

カリフォルニア大学の研究者が過去に行われた実験を調べ直したデータを参考にしています。

※この記事は特定の食品やサプリメントを推奨するものではありません。精力増強の効果があっても他の悪影響が出る危険性もあるので自己責任で使用してください。

実験データのあるもの

被験者を2つのグループに分けて片方には薬などを与え、もう片方にはプラセボ(偽薬)などを与えてその効果の違いを見る実験のことをランダム化比較試験といいます。このランダム化比較試験などの実験においてその効果が出ているものは意外と少ないです。

高麗人参

勃起不全の男性に高麗人参とプラセボを与えてその効果を見る実験において高麗人参の精力増強が認められたという論文が7本見つかっています。また更年期の女性の性欲低下を改善する効果があったという研究もあります。

マカ

マカの効果を調べた4つのランダム化比較試験が見つかりそのうちの3つで有効性が確認されています。健康な更年期の女性、健康な成人男性、勃起不全の男性の性的機能不全にプラスの効果を示しています。マウスを用いた実験でも性欲を効果的に高め勃起機能を改善することが分かっています。

ハマビシ

女性の性機能や性欲低下を改善したという実験結果があります。マウスの実験ではハマビシの補給後に精子の生産量が増加したとい結果もあります。

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実験データのないもの

精力増強や性的興奮、催淫効果があるといわれる有名なものでもその効果を証明した実験データの存在しないものもあります。データが存在しないからといって全く効果がないということではありません。

蜂蜜

ハネムーン(honeymoon)という言葉は新婚夫婦がミードという蜂蜜酒を飲みながら一ヶ月間子作りに励むという習慣が語源といわれています。しかし蜂蜜の性欲増強効果を証明した実験はありません。(※酒と性欲の関係も複雑で必ずしもプラスとなりません)

一般に販売されている蜂蜜とは別にグラヤノトキシンという毒を含むマッドハニーという蜜があります。性欲を刺激するものとして販売されている国もありますがこれを摂取したカップルが数時間後に二人とも心筋梗塞を発症した事例があります。

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牡蠣

牡蠣にはテストステロンや精子の生成に不可欠な栄養素である亜鉛が含まれています。また快楽関連する神経経路に不可欠なアミノ酸やセロトニンが含まれているとも考えられています。しかし牡蠣が性的興奮や精力増強に有益な効果をもたらすという実験データは見つかりませんでした。

チョコレート

チョコレートにはチラミンやフェニルエチルアミン、カンナビノイドなどが含まれておりこれらが催淫作用をもたらすと言われています。しかしそれを裏付けるデータはありません。チョコレートを食べた人と食べていない人を比較した実験でも性機能に差が出ませんでした。

それどころかチョコレートの消費量が多い人はセックスへの関心が低い傾向にあるというカリフォルニア大学の調査結果もあります。

イギリスのお菓子メーカーのキャドバリーの調査では「セックスよりもチョコレートのほうが魅力的」という女性の割合は52%というデータもあります。チョコレートで満足を得てしまうとセックスしなくても良いやとなってしまうのかもしれません。

サプリメントの広告に騙されるな

サプリメントの広告にときどき「○○の効果について学会で論文が発表されました」と書かれていることがあります。

これは「ハゲタカ学会」というお金さえ払えば内容は問わず誰でも発表できる学会であることが多いです。

そのへんのセックスレスカウンセラーが「おまじないでレスが解消した」という研究を提出しても査読されることなく受け入れられる学会なのです。

エビデンス(科学的根拠)にはレベルというものがあります。論文になっているからといって効果があるということにはなりませんので注意してください。

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参考にした論文
・Natural Aphrodisiacs—A Review of Selected Sexual Enhancers
・Chocolate Consumption and Sex-Interest.

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