セックスでオーガズムに達しない、達しにくいという女性は少なくありません。全体の2割から3割はいるとされています。
達しないこともないけれど、毎回ではないという女性も含めると約半数ほどいるというデータもあります。
女性がオーガズムに達しない要因として、パートナーの技術不足や、二人の絆の弱さなどが挙げられます。
オナニーでは達するのにセックスでは達しないという場合にはこのパターンが多いかもしれません。
しかし、パートナーのテクニックに問題はなく、絆もしっかりしているし、身体的な問題もないという場合には、女性自身の精神的な要因が考えられます。
セックスに対し、どのような信念を持っているかが、達しやすさに関係するということです。
では、オーガズムに達しやすい女性と達し難い女性の信念にはどのような違いがあるのでしょう?
オーガズムを困難にする信念
性的にオープンになれる女性は少ないものです。
日常会話において、こんなプレイがしたい、もっと頻度を増やしたいと、直接的に要望を伝えるのは苦手という人が多いです。
そして性行為中であっても自分を解放できません。
恥ずかしさや、恐れ、性的快楽を積極的に求めてはいけないという信念が、邪魔をするのです。
性に対し積極的になれず、抑制してしまっているのです。
自分が気持ち良くなることよりも、彼氏や夫が気持ち良くなることを優先してしまうこともあります。
実はこれらの信念が全て、オーガズムの困難さにつながっています。
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オーガズムに達しやすい女性と達しにくい女性の比較
ポルト大学のカタリナ・モウラ達の研究チームによって行われた、オーガズムに達しやすい女性と達しにくい女性を比べた研究があります。
18歳から72歳までの500人の女性(内半数がオーガズムに困難を抱えている)を対象に行ったものです。
この研究では、性的興奮と抑制、性に対する信念、性行為中の感情などについて調べています。
その結果、オーガズムに困難を感じている女性は次の傾向が強いことが分かりました。
- 性的に抑制しがち
- 否定的な自動思考を持っている
- エロティックな妄想が少ない
- 行為中にネガティブな感情を持ちやすい
※ここでいう否定的な自動思考とは、セックスをすることに対し直感的に持つ、主導権を握ってはいけない、相手を満足させないと魅力的と思われない、といった考えのことです。
セックスを楽しむことに対して遠慮する女性
ネガティブな考えが、オーガズムへの達しにくさに繋がっていることがご理解いただけたと思います。
ではオーガズムに達するためにどうすれば良いのでしょうか?
それはセックスを楽しむという考えを持つことです。
器質的な問題があるわけでないけれど、達しにくいという女性の話を聞いていると、心のどこかでセックスを楽しむことに対して遠慮してしまっている様子が見られます。
先ほどの研究でも、オーガズムに困難を抱える女性は、「セックスは男性が主導して始まるべき」「女性にとってすばらしい感情とは母性である」といった、セックスを楽しめない考えに同意しがちということが分かっています。
また、「自分が魅力的でないから楽しめない」「年齢が上がると快感を得にくい」といった信念を持っていることもマイナスの影響となることが判明しています。
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女性が楽しむと男性の興奮も高まる
こういった思考によるマイナスの影響を取り除くためにも、まずは自分が楽しむという気持ちを持つことが大切です。
女性がセックスに積極的になってはいけないというのは、世間に蔓延するジェンダーバイアスでしかないのです。
余談ですが、女性がセックスを楽しんでいるほうが、男性の性的興奮も高まりやすいことが分かっています。
例えとして適切か分かりませんが、AVもほとんどが、性に積極的な女性が描かれています。最初は消極的でも最後は興奮して絶頂というパターンがほとんどです。
あなたが楽しむことでパートナーも楽しめるのです。
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参考文献:Moura CV, Tavares IM, Nobre PJ. Cognitive-Affective Factors and Female Orgasm: A Comparative Study on Women With and Without Orgasm Difficulties. J Sex Med. 2020 Nov;17(11):2220-2228.