首絞めセックスの経験がある女性は54%!後遺症のリスクが高過ぎるからやめておけ

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【注意】記事中に渡辺淳一の著作である『失楽園』と『愛の流刑地』についてのネタバレがあります。

マンネリ解消のために特殊なプレイをするのは良いことです。

お互いの嗜癖を気軽に開示できるカップルほど性的満足度が高いことも分かっています。

SMプレイを好む人のほうが精神的に安定しているという調査結果もあるくらいです。

ただし、首絞めセックスだけはやめましょう。特に最近の若い人の間で蔓延しているようですが、危険過ぎます

日経新聞で初めて知ったセックス中に首を絞めるという行為

私が大学生だった頃に日本経済新聞に『愛の流刑地』という小説が連載されていました。

「愛ルケ」などと呼ばれて話題になりましたから、今の40代以上は覚えている人も多いかと思いますが不倫の話です。

当時の私は、日経新聞というお堅い媒体にこんな卑猥な作品を載せるのか!と驚きました。性描写が多かったのです。

なので電車内で読んでいる人を見ると「あの人はこれから会社に行くのにあのエロいシーンを読んでるのか…」と気になって仕方なかったのを覚えています。

中でも頻繁に登場したのがセックス中に首を絞めるシーンです。

この物語の重要な鍵となるプレイなのです。(気になる人はここで離脱して小説を読んでみてください。この記事の最後で若干のネタバレをしてしまいますので)

首絞めセックスなどというプレイはこの小説を読むまで私は知りませんでしたし、当時の多くの若者もそうだったのではないかと思います。

しかし、最近の若者は違うようです。メジャーなプレイの一つのようです。

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女性の約54%、男性の約25%がセックス中に首を絞められた経験がある

インディアナ大学の研究チームが4,000人以上の大学生と大学院生を対象に行った調査によると、女性の約54%、男性の約25%がセックス中に首を絞められた経験があるのだそうです。

逆に相手の首を絞めた経験は、女性が約24%で男性が45%ですから、男性が女性を絞めるというスタイルが多いようです。

初めて首絞めを体験した年齢の平均は、大学生が約19歳で大学院生が約22歳です。

同じ時期にほぼ同年齢のサンプルを対象にした調査でここまで大きな差が出るのはなぜでしょうか?

それは首絞めプレイがここ数年で急激に広まったからです。SNSやエロ動画で拡散したのです。

この調査が行われたのは2021年ですが、10年前に同じ調査をしたら、経験者の割合はもっと低かったはずでしょう。

つまり別の見方をすれば「首絞めセックスが流行し始めたときあなたは何歳でしたか?」という質問をしているのと同じということです。

ですから今30代の人に同じ調査をすれば、初めて首絞めプレイを体験した平均年齢は30何歳になる確率が高いということです。

これは米国の調査ですが、日本でも最近は高い割合で行われていると思います。カウンセリングに来る人から聞く機会が増えました。そういうAVも多いですしね。

女性の8割以上が首絞めプレイを肯定的に評価

セックス中に首を絞められてどうだったのか?ということも質問しています。

それによると、全体の約40%が非常に良いと感じていることが分かりました。快感や多幸感を得ているのです。

特に若い女性ほどこの傾向が強く、女子大学生では約50%がとても良いと感じており、まあまあ良いと思っている約33%と合わせると80%以上が肯定的に評価していることが分かります。(男子大学生の場合は約65%が肯定的に評価)

また全体の約44%がヘッドラッシュというドラッグを使用したときと同じような陶酔感を得ていることも分かりました。

全体の90%が同意のうえで首絞めを行っていますから、こういった結果になるのは不思議ではないのですが…

しかし、たとえどんなに気持ち良くても、セックス中に首を絞めるのは止めたほうが良いでしょう。

専門知識のある医師でも安全な首絞めセックスは不可能

首絞めのネガティブな面として、息ができない、嚥下しにくい、涙目になるという反応が出ることも分かっています。

また、約15%が首への打撲の症状が出たといっています。

さらに約3%が首絞めの窒息によって意識を失っています。

中にはこういった状態になって快感を覚える人もいますが、意識を失うまで首を絞めるのは危険過ぎです。

血流を止めて脳への酸素供給をストップさせているということですから、脳に不可逆的なダメージが残り、後遺症となることもあります。

オーストラリアで若者の性の安全のために活動しているマリー・クラッブ氏が医師を含む医療関係者にインタビューしたところ、たとえ医学的な専門知識を持った人間であっても、安全に首絞めセックスをする方法など分からないと答えられたと語っています。

サイトなどで「首絞めセックスの正しいやり方」や「何秒までなら安全」という記事が公開されていることがありますが、医学的根拠のないデタラメですから、騙されないよう注意しましょう。

『愛の流刑地』の悲しい結末

日経新聞に連載されていた『愛の流刑地』では、首絞めセックスによって女性が死んでしまいます。

女性はプレイ中に「殺して」と言っていました。

プレイ中の「殺して」というセリフは法的にどう解釈されるのか?(嘱託殺人になるかどうかで刑の重さが変わる)といったことが一つのテーマになっていた気がします…。読んだのが20年近く前なのでよく覚えていないのですが。

そして最後は刑務所に入った主人公の男に手紙が届いて、そこに愛の流刑地でナンタラカンタラ…と書いてあった気がします。

岸谷五朗が主演したテレビドラマ版も見ているので記憶がごっちゃになっている可能性はあります。豊川悦司が主演した映画版はアマプラで見られますので興味のある人はぜひ。

興味深いのが、原作者の渡辺淳一は医師でもあることです。この作品を通じて首絞めセックスの危険性を啓蒙したかったのでしょうか?

その可能性はほぼゼロでしょう。別の不倫を描いた作品『失楽園』でも最後は心中しますからね。渡辺先生にとっての究極の愛には「死」が介在するのかもしれません。

それにしても日経新聞に『愛の流刑地』が掲載されていたのは本当にすごいことだったと思います。

同じ電車に乗っている何十人もが同時にエロいシーンを読んでるシチュエーションと考えると驚愕です。

ちなみにその後の日経新聞の連載は堺屋太一 の『世界を創った男 チンギス・ハン』でした。振り幅の大きさに驚きました。

<参考文献>
・Debby Herbenick, Tsung-chieh Fu, et al. (2022). Frequency, Method, Intensity, and Health Sequelae of Sexual Choking Among U.S. Undergraduate and Graduate Students.
・The Sydney Morning Herald「Strangulation during sex has been ‘mainstreamed’ but risks brain damage, experts warn」