食品の中には性欲を高める効果があるとされているものもあります。中でもチョコは昔から興奮作用や催淫効果が期待できる食べ物とされてきました。
セックスレスを解消したいと思っている人の中にはパートナーに食べさせたことがある人もいるのではないでしょうか?
しかし残念なことにチョコを食べることで性欲が高まったりセックスしたくなるというきちんとしたデータは存在しません。それどころかチョコをたくさん食べる人はセックスへの興味が低いという研究結果もあります。
多くの人が勘違いしていること
そもそもなぜチョコを食べると性欲が高まるとされているのでしょうか?その理由と多くの人が勘違いしていることについて簡単に説明します。
チョコを食べると興奮するという証拠はナシ
チョコに含まれるカカオには興奮を高める作用があるとされ古代より媚薬のような使われ方をしてきました。また戦争に行く兵隊の士気を高めるために使われることもありました。
こういった事情により「チョコ=興奮」という認識が広まったのです。しかしチョコを食べると興奮が高まるというデータはありません。変化ナシというデータはあります。
カカオの成分によってエッチな気分にはならない
確かにカカオにはチラミンやフェニルエチルアミンといった性的興奮と関連するとされる成分が含まれていますから、それによって効果が期待できると思われることもあります。
しかしそれらの成分をチョコを通して摂取することで性欲が高まるという科学的根拠はありません。
チョコを溶かす行為は興奮を高めるが…
神経心理学者のデビッド・ルイス博士がダークチョコレートを口の中で溶かすときとキスをするときではどちらが興奮するのか調べた実験があります。それによるとチョコを溶かしているときのほうが心拍数や脳派の興奮が強くなることが分かりました。
この実験結果がBBCなどでも報じられたことでチョコを食べると性的な興奮が生まれると勘違いされました。しかしこの実験はチョコの成分が興奮をもたらしたことを証明したのではなく、チョコを口で溶かすことが興奮をもたらしたことを証明したのです。
チョコがセックスへの興味を失わせる
チョコには性欲を高めるどころかセックスの興味を低下させてしまうという研究もあります。
カリフォルニア大学の研究者が20歳以上の男女723名のチョコの摂取頻度とセックスへの関心度を調査しました。それによるとチョコを多く食べる人ほどセックスへの関心が低いことが判明したのです。
チョコがセックスの代わりに満足度を埋めてしまうことが原因ではないかと考えられています。
チョコを食べて性欲が高まる人もいる
とはいえチョコを食べることでセックスをしたいという欲求が高まる人もいます。
それはどんな人かというとチョコに対して性的なイメージを抱いている人です。簡単にいうとプラセボ効果(偽薬効果)です。
つまり「チョコを食べるとエッチな気分になる」と信じている人は本当にそうなるということです。
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アワビを見て性的興奮が高まることもある
プラセボ効果に限らず食べ物が性欲のスイッチを入れるきっかけとなることはあります。
例えばアワビを見て女性器を想像する男性はそれによって性的興奮が高まることもあるのです。
初めてセックスをしたときに食べたものがトリガー(引き金)として作用することもあります。
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舌触りが性器を連想させることもある
食べ物の見た目だけが性欲を高めるのではありません。食感が性的なイメージを呼び起こすこともあります。
舌触りが唇や性器に近いものを食べたときに性的興奮を覚える人もいます。
さきほど紹介したチョコを溶かす実験もこのような効果の一つと考えられるかもしれません。
どんな食べ物がパートナーのトリガーなのか?
ここまで説明した通りチョコの成分が直接的に性欲を高めることは考えづらいです。
しかしチョコに限らず食べ物は性欲のトリガーとなりやすいものです。何がトリガーとなるかは人によって異なります。
パートナーのトリガーは何かということを検証するとレスの解消につながるかもしれません。
参考にした論文:Beatrice A. Golomb, Brinton K. Berg. (2021). Chocolate Consumption and Sex-Interest.