セックスが嫌いな原因はスキーマにある!どうすれば変わるのか?

彼氏や旦那のことは好きだけどセックスはしたくないという女性がいます。

このようにセックスが嫌いだったり、苦手だったりするのは、ネガティブな性的スキーマ(物事を捉える枠組み)を持っていることが原因かもしれません。

そしてこのスキーマの基礎は初体験のときに作られた可能性があります。

セックスが嫌いな理由

セックスが嫌いな理由として、気持ち良くない、汚らしい、そもそも性欲がほとんどないということが挙げられます。

また、挿入時の性交痛が酷かったり、性欲が気持ち悪いと感じたりしていることもあります。

他には性嫌悪症も考えられます。常にセックスや性的な事柄に対して嫌悪感や不安、恐怖を持っている状態です。

性嫌悪症の原因や特徴は人によって異なりますが、男女ともになり得るものです。

これらの明確な理由はないけれど、セックスが嫌いという場合、性的なことに対するネガティブなスキーマを持っているかもしれません。

同じ状況でも人によって感じ方が違うのはスキーマのせい

私たちは経験によって物事を捉えるための枠組みを作り上げていきます。

この枠組みを認知心理学で「スキーマ」といいます。

どんなスキーマを持っているかは人それぞれ違いますので、同じ情報に触れてもどう感じるかは変わります。

例えば、気の置けない仲間との飲み会や恋人とのデートでお酒を飲む機会の多い人は、お酒は幸せを与えてくれるものと思っているでしょう。

反対に、飲酒によってセックスが上手くいかなかったり、失態を犯すことの多い人は、お酒は災いをもたらすものと思っているかもしれません。

さらに、お酒を飲んでムラムラするという人は、エッチな気分にしてくれるものと思っているでしょう。

これがスキーマの違いです。

セックスに対するスキーマは初体験によって形成される

スキーマは経験の積み重ねによって作られるものですが、1回の出来事が大きく影響することもあります。

初めてセックスをする体験は人生において非常に重要な出来事ですから、どのような性的スキーマが構築されるかという方向づけに影響すると考えられます。

初体験時に快感を得たり、愛情を感じればポジティブなスキーマが作られ、セックスを好きになりやすいでしょう。

反対に痛みを感じたり、男性から独りよがりなプレイをされるとネガティブなスキーマが作られ、セックスを嫌いになりやすいといえます。

そして、その後で他の人とセックスすることがあってもネガティブなスキーマのせいで悪く捉えがちになります。

良いことがあっても悪いことばかり注目してしまうのです。

これが積み重なることでどんどんセックスが嫌いになっていきます。

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最悪な初体験がセックスを嫌いにする

テキサス大学とミシシッピ大学の研究者が、初体験がその後のセックスとどのように関係しているのか調べた実験があります。

まず319人の男女に対して、初体験がどのようなものだったかを思い出して評価してもらいます。(初体験時の平均年齢は16.7歳)

それから、2週間に渡り性生活についての日記をつけてもらいました。

ちなみに2週間の中でのセックスの回数は個人差が大きく、少ない人は0回で、多い人は12回でした。

そして、そのセックスに対してどう思っているかは、初体験時がどのようなものだったかと相関していました。

初体験が親密さや尊敬に満ち、繋がりを感じたり、良い余韻の残るものだった人は、現在のセックスも良いものと感じていました。

反対に、初体験が不安や冷たさ、緊張、プレッシャーを感じさせるものだった人は、現在のセックスもイマイチな傾向がありました。

これはあくまでも相関関係ですから、必ずしも因果関係があるとは限りません。元々、セックスを楽しいと感じやすい人だから、初体験の時から良いものとなっている可能性もあります。

とはいえ、どんなセックスをしてきたかによって好きになるか嫌いになるか変わることは自然なことですから、初体験が将来の性的なスキーマの土台となる可能性は十分あるといえるでしょう。

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セックスが嫌いな人は認知を再構成する習慣を持つ

セックスに限ったことではありませんが、一番最初の体験で「嫌い」と思うとその後もマイナス面にばかり注目してしまうものです。

それによってさらに嫌いになっていきます。

最初に出来上がった悪い印象というのは、その後に良い面が見えても消えないものです。なぜなら人間は珍しい情報ほど注目し記憶に残すからです。

初体験は(その後の普通のセックスと比べて)極めてレアな体験ですからその印象は強いのです。

あなたがセックスを嫌いという場合、過去には良いセックスもあったのにそれを認識していなかったり、忘れている可能性はないか確かめてみてください。

また、認知を再構成する癖をつけることでスキーマは変えられます。

例えば「セックスは男性の性欲解消のためのもの」という考えが浮かんだとき、「女性でも楽しんでいる人はいる」と別の考えも検討するということです。

このように認知を再構成する習慣のある女性は性欲が高いことも分かっています。

新しい考えを取り入れられる柔軟さは性欲に関連しているからです。

メンタルの安定にも大きく関連していますから、日ごろから「他の考え方もあるのでは?」と検討する習慣を身につけましょう。

参考文献:C. Veronica Smith csmith4@olemiss.edu & Matthew J. Shaffer (2013) Gone But Not Forgotten: Virginity Loss and Current Sexual Satisfaction.

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