セックスをする理由は家庭環境の影響を受ける

セックスレスでなくとも、パートナーが乗り気ではないように感じることはないでしょうか?

仕方なく応じているのでは?と心配することもあるかもしれません。

このような場合、もしかすると育った家庭環境の影響があるのではないでしょうか。

この状態を放置しておくと二人の関係性が不健全なものとなってしまいます。

セックスをする理由

なぜセックスをするのか?

多くの人は性欲の解消や愛情の確認がその理由でしょう。これは健全な理由です。

性欲の解消というと自己中心的に感じるかもしれませんが、人間として自然なことです。

愛情の確認やそれを深めたいというのも自分視点ではありますが、絆を強固にしてくれます。

このような内発的な動機によるセックスは良いものであり、それが満たされることで二人の関係も良くなります。

一方で外発的な動機によるセックスをする人もいます。

相手に嫌われたくないから、自分の存在を認められたいからといったものです。

このような理由でしているとセックスに対するモチベーションは下がり続けます。

人間は自発的に決定したことでないとやる気を維持できないからです。

育った家庭環境とセックスをする理由

本来、セックスというのは内面から湧き出る欲求によってするものですが、外発的な動機によってする人がいるのはなぜでしょうか?

その原因は育った家庭環境にあるかもしれません。

ケベック大学の研究者たちが、300組以上のカップルを対象に行った虐待経験とセックスをする理由についての調査があります。

それによると、身体的・精神的虐待、ネグレクトを受けて育った人は外発的な動機によってセックスをする傾向が高いことが分かりました。

「パートナーに批判されたくない」「セクシーだと思われたい」といった理由でセックスをしているということです。

愛着が形成されないと他者視点で物事を決定するようになる

なぜこのような結果となるのでしょうか?

人間は子供時代に養育者との間に愛着(特別な絆)と築くことで、自分には価値があるという肯定感を育みます。

それによって自分の希望を主張して良いのだと思えるのです。

しかし、虐待によって愛着が形成されないと、自分には価値がない、誰からも愛されないという感覚を持ってしまいます。

そして常に恥や罪を感じた状態となります。

すると物事の判断基準が「相手に嫌われないためにどうすべきか?」となってしまうのです。

同時に自分の欲求を押し殺すようにもなります。

セックスによって愛情を深めたいという希望も持っていたとしても抑圧しているため気づきにくいのです。

そのため、いつも「相手が求めるので嫌われないために応じる」ということになってしまうのです。

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心の充足がセックスをする動機に与える影響

もしあなたのパートナーが外発的な動機によってセックスをしているとしたら、どうすれば良いのでしょうか?

実は今回の研究では心の充足がセックスをする理由に影響を与えることも分かっています。

虐待経験があっても関係の中で満たされていると感じている人は「相手に嫌われないため」といった外発的動機ではなく、「楽しいから」といった内発的動機によってセックスをする可能性が高いのです。

心の充足とは具体的には「愛されていると感じる」「大切にされていると感じる」「自分の意見を相手に言える」といった状態のことです。

パートナーがこういった感覚を持てるように愛情表現をすることで、自己決定的にセックスをする可能性を高めることができるでしょう。

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参考文献:Kotiuga, J., Bőthe, B., Bergeron, S., Girouard, A., Bigras, N., & Vaillancourt-Morel, M.-P. (2024). Longitudinal associations between childhood maltreatment and sexual motivations in couples: The role of basic psychological needs.

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