喧嘩ばかりで合わない夫婦が10分で変わる方法

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いつも夫婦喧嘩ばかりしていると「自分たちは合わない二人だったのだ」と人生を共に歩む自信を失ってしまうこともあります。

たとえ些細な言い争いであっても同じことを繰り返していると、精神的なダメージが蓄積され「もう無理」となってしまいます。

しかし、夫婦間の対立が多いからと、相性が合わないとは限りません。喧嘩するほど仲が良いという言葉もあります。

喧嘩ばかりしているのに、お互いの絆を感じられる夫婦もいます。

彼らがなぜうまくいっているかというと「効力感」を持っているからです。これがあるかないかで夫婦の関係は大きく変わります。

そしてこの効力感は簡単な方法で得ることができます。

何をすれば良いかというと一人で建設的に反省することです。

夫婦関係における「効力感」とは何か

効力感についてもう少し詳しく説明しましょう。

ここでいう効力感とは「夫婦間の対立はうまく乗り越えられる」と思える感覚のことです。

具体的には、話し合えば理解できる、解決策や妥協点を見つけられる、と信じられるかということです。

こういった感覚を持っている人は夫婦喧嘩をしても「合わない、もう無理」とは思いにくいものなのです。

それが態度にも出ますから、対立が生じてもうまく処理できる空気が生まれやすくもなります。

こういった効力感を得るための簡単な方法が、喧嘩や対立を振り返り、一人で建設的に反省することなのです。

建設的に反省することの効果

反省の効果について、ウォータールー大学の研究者らが行った実験があります。

この実験では19歳から76歳までの男女358人に、ここ最近で発生したパートナーとの対立について思い出してもらいました。

その後で参加者は、対立について建設的に反省するグループと、性格検査に回答するグループに分けられました。

それから、効力感を評価したところ、対立について反省したグループの方が有意に効力感が高いことが分かったのです。

建設的に反省することで、カップル間の対立を解決できるという感覚が強まり、無力さを感じる傾向も低くなったのです。

具体的にどのような内容を考えれば良いのか

建設的な反省とはどのようなことでしょうか?

今回の実験では具体的に以下の6項目にフォーカスしました。

  1. なぜ対立が生じたのか?
  2. それはどのように解決されるべきだったか?
  3. 一般的に対立はどのように処理されるべきか?
  4. 他の人々はどのように対応するのか?
  5. その対応はなぜ理にかなっているのか?
  6. 将来の対立に対応するため最も役立つことは何か?

これらについて10分程度、考えるだけで効力感を得られるのです。

また、この効果は人間関係の対立を解消するためのより複雑で高度なタスクを行った場合と同じ程度ということも分かりました。

「私たちは合わない夫婦」と思っていることが原因

ここまでの説明を読んで、「そんなこと言っても自分の夫(or妻)は話し合いにならないから無駄」と思った人もいるかもしれません。

確かにきちんと向き合おうとしない人間もいますし、感情的になってしまう人もいます。

しかし、あなたがそのように思い込んでしまっているから対立が解消できなくなっているという可能性もあります。

「この人とは無理、合わない」と思っているとそれが態度に出ます。すると相手にもそれが伝わりますからお互いが敵対的な態度になってしまうということです。

また、人間には自分の意見を正当化してくれる情報にばかり注目する「確証バイアス」という偏見があります。

つまり「私たちは合わない夫婦」と思っていると、合わない部分にばかり注目してしまい、余計にうまくいかなくなるということです。

このような場合でも建設的な反省を行うことで、効力感が高まれば、視点も変わってくるはずです。

夫婦関係の対立によるストレスを軽減する効果も

建設的に反省をすることの良い点は、喧嘩の最中ではなく、後で冷静になったときに気軽に行えることです。

心理学の世界には対人関係を円滑にするための様々なコミュニケーションスキルがあります。

しかし、それらを学んでも喧嘩中は興奮しているため、冷静に行えなかったり、忘れてしまっていることがあります。

また、長期に渡るトレーニングが必要な手法や、夫婦で一緒にセラピーを受けなければならないものなど負担の大きなものもあります。

これらの手法と比べても気軽かつ確実に行えるのが建設的な反省なのです。

あなたが効力感を高めた状態で向き合うことで夫婦関係に変化が生じ、喧嘩そのものが減ることも期待できます。

今回紹介した実験では、建設的な反応が対立によって生じるストレスを軽減させる効果があるこも分かっています。それが夫婦関係の余裕にもつながるといえるでしょう。

「元から合わない人間同士だった」と諦めてしまう前にぜひ建設的な反省を試してみましょう。

参考文献:Emily M. Britton, Denise C. Marigold. (2024). Simple reflection exercises can build efficacy and reduce distress about relationship conflicts.

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