カップル間のコミュニケーションをポジティブにする方法

カップルが関係を改善しようと思っているときほど、ストレスが溜まりやすくなったりするものです。

そしてイライラしてネガティブなことを言ったり、八つ当たりのLINEを送ってしまうこともあります。

それが相手を悪い意味で刺激してしまい、余計にカップル間の関係が悪化してしまいます。

そこで今回はカップル間のコミュニケーションをポジティブにするための方法を紹介します。

カップル間の感情的な出来事を振り返る習慣が大切

コミュニケーションはお互いに影響し合うものです。

ポジティブな働きかけをすれば、相手からもポジティブな反応が返ってきますから、コミュニケーションの質が高まります。

それを繰り返すことでカップルの関係は良好になります。

そのためにも日頃から、言われて嬉しかったことや、してもらって助かったことなどを自然に伝えることが必要です。

また、使う単語も「悲しい」「辛い」といったネガティブなものより、「楽しい」「幸せ」といったポジティブなものを増やすことが大切です。

とはいえ簡単にできることではありません。

こういったポジティブな働きかけをするためには感情的な出来事を振り返る習慣が大切なのです。

そのための具体的な方法として「紙に書き出す」ということが挙げられます。簡易な日記のようなものです。

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振り返るとコミュニケーション方法が変化する

パートナーから優しい言葉を掛けられたり、何かしてもらうと、心が満たされるかと思います。

このような体験をしたら、その時だけではなく、寝る前にもう一度それを振り返って紙に書きましょう。

パートナーとの間に起こった感情的な出来事を振り返りながら文字にすると、あなた自身のコミュニケーション方法が変化するのです。

ポジティブな感情の言葉を使う頻度が自然と増えるのです。

そしてそれが相手にも影響しますから、より良い関係を築くことができます。

感情に焦点を当てた日記を書いた人の破局する可能性は低い

このことはテキサス大学のリチャード・スラッチャー博士らの実験でも判明しています。

この実験ではパートナーのいる86人の男女を集め、以下の2グループに分け日記を書かせました。

  • カップル関係の感情に焦点を当てた内容を書くグループ
  • 日常の出来事に関することを書くグループ

実験終了から3ヵ月後にカップルがまだ付き合っているかどうか調べたところ、感情に焦点を当てた日記を書いた人たちは、44人中34人(77%)がまだ付き合っていました。

日常の出来事について書いたグループは44人中22人(52%)しか付き合っていませんでした。

感情に焦点を当てた日記を書いた人たちは別れる確率が50%以上も低かったのです。

ポジティブな感情の言葉が増える

なぜこのような結果となったのでしょうか?

実は今回の実験ではカップル間のメッセージのやり取りのデータも取得しています。

その内容を分析したところ、感情に焦点を当てた日記を書いた人たちは、パートナーへのメッセージの中で、ポジティブな感情の言葉の使用を増やす傾向があったのです。

それによってコミュニケーションの質が高まり関係も良好になったことが、別れの確率を低下させたと考えられます。

ちなみにですが、ポジティブな言葉の使用は意図的ではなく無意識に増えたものと思われます。

なぜなら、参加者に実験の意図がバレないように「単語の使用方法を調査するための実験です」と事前に嘘の目的を伝えているからです。

「パートナーとの感情的な出来事についての日記を書いているのだから、普段のメッセージも気をつけなければ」というバイアスが掛かった可能性は低いということです。

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放置するとカップルのコミュニケーションはネガティブになりがち

付き合い始めたばかりの頃は相手の良い部分しか見えないものです。

英語圏では「バラ色のメガネを掛けている」などと言われる状態です。

しかし時間が経つにつれ悪い面も見え始めます。

自分ばかりが我慢をしているような気持ちになりストレスが溜まることもあります。

そしてそれをそのまま相手にぶつけてしまうのです。

このようなネガティブな働き掛けをすると相手からも同様な反応が返ってきます。それが繰り返されることで関係が悪化します。

こういった流れはある意味で自然なことです。バラ色のメガネが外れた後のカップルは意識していなければコミュニケーションがネガティブになりがちなのです。

しかし、パートナーとの感情的な出来事を振り返る習慣を持つだけでも、コミュニケーションのスタイルがポジティブなものへと変化しますから、ぜひ試してみてください。

参考文献:Slatcher, R. B., & Pennebaker, J. W. (2006). How Do I Love Thee? Let Me Count the Words: The Social Effects of Expressive Writing. Psychological Science, 17(8), 660-664.

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