彼氏が信用できないのがしんどい人は母親の影響を受けている

彼氏がどれだけ愛情を伝えても信用できない人がいます。

連絡がつかないだけで、捨てられるのではないかとか、浮気しているのではないかと疑ってしまいます。

また、彼氏の言葉を全てネガティブに捉えてしんどくなってしまう人もいます。

このような女性はもしかしたら母親の影響を受けているのかもしれません。

対人関係の基礎は母親から学ぶ

対人関係は学習によって身に着けます。

では生まれて初めての時、最初の学習相手となるのは誰でしょうか?

それは親です。特に母親の影響は大きいです。

子供は一人では何もできません。困ったとき助けが必要です。

この時に母親がしっかりとケアしてくれると、人間というのは必要な時に思いやりと支援を提供してくれるものなのだと学習します。

それと同時にサポートしてもらえるということは自分は価値のある存在なのだろうと認識します。それによって健全な自己肯定感が育つのです。

反対に母親が十分な世話をしてくれないと「人間というのは冷たい生き物だ」と学びます。

また自分は面倒を見る価値がない存在なのだと認識し自己肯定感も育まれません。

ひどくなると愛着障害などになったりもします。

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彼氏の言葉の解釈にも影響する

愛着障害でなくとも母親との間で学習したデータは対人関係の基礎となります。

そして大人になった後も他者との関係に応用します。

母親が必要な時に助けてくれた人は、他の人も困ったときに助けてくれるだろうと健全な期待を持てます。

逆に母親からのケアを十分に得られなかった人は、他人は信用できないと判断しがちです。

とはいえ完璧な母親などいません。良い面もあれば悪い面もあるのです。

そのどちらを思い出すかによっても他者への判断は変わります。

例えば彼氏が冗談を言ったとします。

この時に母親の嫌味っぽいところを思い出していたら攻撃されたと捉えるでしょう。

反対に楽しい冗談を言うところを思い出していたら楽しませようとしたのだと捉えるということです。

プライム刺激による実験

このように自分でも全く気づいていないうちに母親の影響を受けているのです。

それを証明したバル・イラン大学の研究者らによる面白い実験があります。

まず参加者に母親のことについて語ってもらいました。

それを聞いた研究スタッフはその中から良い面と悪い面を特定しました。

そしてまた別の日にタスクをやらせました。

画面に表示された文字列が意味のある単語か意味のない文字列かを判断するというものです。

文字列が表示される前に0.022秒だけ別の文字をプライム刺激として表示しました。

一瞬なので画面が光ったことは分かっても文字が表示されたことは気づきません。

このプライム刺激の文字は参加者が事前に母親について話した内容をもとに作られた文章です。

どのパターンの文字がプライム刺激として表示されるかにより、参加者は以下の4グループに分けられています。

  • 自分が話した母親のポジティブな側面に関する文字
  • 自分が話した母親のネガティブな側面に関する文字
  • 他人が話した母親のポジティブな側面に関する文字
  • 他人が話した母親のネガティブな側面に関する文字

例えばポジティブな側面に関する文字というのは、「母親の思いやり」などです。ネガティブな側面に関する文字は「母親の息苦しさ」などです。これらの文字が認識できないくらいのほんの一瞬だけ表示されてプライミング効果を起こさせるのです。

他人が話した側面というのは、自分の母親には関係しないこととして、実験効果の比較のために表示します。

母親のどの側面を思い出すかで判断が変わる

タスクが終了した後で参加者には恋人の言葉をどう捉えるか評価してもらいました。

例えば「もしあなたの恋人が、あなたの嫌いな人をパーティーに招待したらどう感じますか?」といった質問に答えたのです。

それぞれのグループの捉え方を比較したところ違いが出ました。

プライム刺激として、自分の母親のポジティブな側面を見せられたグループは、他人の母親のを見せられたグループよりも悲観的に捉える傾向が少なくなりました。

また、自分の母親のネガティブな側面を見せられたグループは、他人の母親のを見せられたグループよりも悲観的に捉える傾向が多くなりました。

プラス面でもマイナス面でも母親の影響が出たということです。

彼氏が信用できない人はどうすれば良いか?

最も親密な養育者(多くは母親)との間にできる絆をアタッチメント(愛着)といいます。

発達心理学の世界では、アタッチメントが自己肯定感や対人関係、恋愛に影響を及ぼすことがよく知られています。

特に恋愛において、相手に異常なほど執着したり、逆に距離を置き過ぎたりといった特徴が出ることがあります。

このどちらのパターンでも認知の歪みが生じていることが多いです。

もしあなたがこのパターンになっていて、彼氏の言動を信用することができずにしんどいというなら、認知を再構成する癖をつけると良いです。

彼氏からのLINEの返信が遅いとき「私のことを嫌いになったに違いない」と思ったら「本当にそうだろうか?忙しくて返信できないだけでは?」と考える習慣を身に着けるのです。

それによって、一番最初に頭に浮かぶ不安な思考を変化させることができます。

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参考文献:Lahat E, Mikulincer M, Lifshin U, Shaver PR. Mothers never retire: Contextual priming of working models of mother affects adults’ representations of self and romantic partners. J Pers. (2020).

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