新婚夫婦のセックスの頻度と性格の関係を調べた研究があるのですが、それによると妻の特定の性格因子のみが関係しているようです。
性格をどう調べるのか?
そもそも性格をどうやって調べるの?と疑問に思う人もいるかもしれませんので先にそれを説明します。
実は心理学の世界には性格を調べるための質問票(尺度)がいくつも存在します。
その中でも有名かつ使用頻度が高いといえるのが「ビッグファイブ(主要5因子)」といわれるものです。
これは「開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向」という5つの特性因子が高いか低いかで人の性格を説明しようというものです。
それぞれの因子を分かりやすく説明すると次の通りです。
- 開放性:好奇心が強く多様な経験や新しいことへの挑戦が好き
- 誠実性:まじめ、計画的に行動する、自己をコントロールできる
- 外向性:他者との交流による刺激を求める
- 協調性:他者と上手くやることを大切にし衝突を避ける
- 神経症傾向:怒りや不安、動揺の感じやすさ
専用の質問紙に回答することでそれぞれの傾向が高いか低いかが分かります。
約300組の夫婦を分析
これらの性格と新婚のセックスの頻度について調べたのがフロリダ州立大学のアンドレア・メルツァー博士たちです。
この研究では協力者となってくれた約300組の夫婦を実験室に呼び、さきほどのビッグファイブを調べるための質問紙に回答してもらいました。
そして帰宅してから2週間に渡ってその日にセックスをしたかどうかを記録してもらいました。
妻の性格のみが新婚夫婦のセックスの頻度と相関
この調査の結果、妻の性格のみが新婚夫婦のセックスの頻度と相関していました。
最もセックスの頻度に影響を与えたのは妻の協調性の高さでした。
次いで妻の開放性の高さもわずかに影響しました。
反対に夫の性格はどの因子もセックスの頻度と相関がありませんでした。
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新婚のセックスの頻度に影響を与える妻の性格因子
なぜ妻の協調性の高さが新婚時のセックスに影響するのでしょうか?
それは男性が誘い妻がそれを受け入れるという構図が多くの夫婦間で出来上がっているからと考えられます。
実際に男性のほうが頻繁にセックスを望み誘う機会も多いということは複数の研究から明らかになっています。
協調性の高い妻は人間関係の衝突を避けようとしますから、誘われれば断らない可能性が高くセックスの回数も増えるということです。
また開放性の高い妻も様々な経験を受け入れやすいのでセックスにも応じやすいといえます。
新婚夫婦の平均のセックスの回数
今回の調査に参加した新婚夫婦の平均のセックスの回数は3~4回(2週間)でした。フロリダ州立大学の他の調査でも同じような数字となっています。
とはいえこれらはアメリカの夫婦のデータですから日本には当てはめられないかもしれません…。
日本でも新婚夫婦のセックスの平均回数を調べたアンケートなどが実施されることもありますが結果はバラバラです。
夫婦の考え方や生活スタイル、結婚前の同棲の有無などによっても頻度は変わります。
「新婚だからもっとたくさんしなければ…」などと考える必要はありません。夫婦生活の頻度を増やしすぎると幸福度が低下するという研究もあります。
参考文献:Meltzer, A.L., McNulty, J.K., Who is Having More and Better Sex? The Big Five as Predictors of Sex In Marriage, Journal of Research in Personality (2016)