家事労働の不公平感は関係不和や破局の原因となるものです。
家事を多く負担していると感じている妻ほど性欲が低い傾向にあるという研究もあります。(※1)
色々な事情がありますから完全に均等にすることは難しいといえます。
たいていどちらか一方が不満を持っているものです。それが夫婦関係を悪化させます。
このようなことにならないためにはどうすれば良いでしょうか?
それは家事負担の少ない方が「感謝」をすることです。
※1 逆に男性は家事をするとセックスの回数が減るという研究もあります。男らしさが失われたと感じてしまうことがあるからです。(参考:旦那が家事をしない方がレスにならない?)
感謝されると家事がコストから利益になる
家事は大変な仕事ですが評価はされにくいものです。やりがいも感じにくです。
毎日することで、してもらえて当然のことと思われることもあります。
『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵さんでさえ、家が散らかってしまうことがあるそうです。
このようにコストと認識しがちな家事ですが、感謝されることによって、利益のある行為に変わります。
恋人のためにお菓子を手作りしたことがある人もいると思います。
やっていることは家事と同じような作業ですが、それを面倒を感じる人は少ないでしょう。
恋人が喜んだり、感謝してくれると期待でき、やりがいが生まれるからです。
感謝することは日々の家事労働もこれと同じ感覚にするということです。さすがに恋人にお菓子を作るほどワクワクはしないでしょうが。
家事の分担割合が不公平だと不満を抱く
ミシガン大学のエイミー・ゴードン博士らが、1,195人の男女を対象に、どれくらい家事をしているかと、カップル関係にどれくらい満足しているかを聞き取る調査をしています。
そこからまず分かったことは、自分が多くの家事を負担していると認識している人は不満を抱きやすいということです。
そして分担割合が平等であると認識している人ほど、満足していることも分かりました。
ただし、自分が多くの家事を負担している人でも、パートナーから感謝されていると感じている人は、平等に家事をしている人と満足度に差がありませんでした。
「なんで自分ばかりやらなくちゃならないの」という気持ちになりにくいのです。
逆に感謝されていないと感じている人は、満足度が低下していました。
この調査では女性のほうがより多くの家事をしていることが分かっていますが、男性も感謝されることの効果を得られることが分かっています。
☑︎男女平等の国では「男は仕事、女は家庭」という価値観が恋愛に影響しなくなるのか?
家事の負担感は個人差が大きい
一つ一つの家事をどう感じるかは人それぞれ違います。
効率的にサクサクこなせるという人もいれば、ビジネスよりも大変と感じている人もいます。
個人的な話ですが私は後者です。
私は会社員をやったこともありますし、今は自営でやっていますが、今までやった仕事を大変な順に並べたら、家事はかなり上位にランクインします。
信じられないと思いますが、人によってはこれらくい難しいのです。
自分で言うのもなんですが私はマルチタスクは得意な方だと思います。(脳に悪いのであまりしませんが)
それでも家事は苦手なのです。
何が言いたいかというと、あなたのパートナーは簡単そうに家事をこなしているように見えても、実はかなり無理している可能性があるということです。
また、夫婦それぞれに家事を何割負担していると思うか聞くと、合計は10割を超えることが多いといわれています。
今回、紹介した研究でも半数以上が不公平と感じていることが分かっています。
自分では公平に分担しているつもりでも、相手は不公平感を持っている可能性もありますから、客観的に見直してみましょう。
そして毎日の家事にお互いが感謝の心を持ちましょう。
参考文献:Gordon AM, Cross E, Ascigil E, Balzarini R, Luerssen A, Muise A. Feeling Appreciated Buffers Against the Negative Effects of Unequal Division of Household Labor on Relationship Satisfaction.