レスや性欲低下が起こったときに、海外のセラピーでは頭の中でセックスを妄想させるということが行われたりします。
そして改善効果が出ていることもあります。
というより私のところに相談に来ている人でも妄想セックスによって夫婦の営みが復活することがあります。
妻や夫でするか?他人でするか?
妄想セックスをする時にその相手は誰にするべきでしょう?
妻や夫といった本来のパートナーが良いのでしょうか?それとも他人でしょうか?
妻や夫で妄想することでリアルでもセックスしたいという欲求が高まるかもしれません。
しかし、その一方で飽きてしまうリスクも考えられます。
特に長いこと一緒にいる夫婦では妄想の中までセックスしていたらマンネリが加速してしまうかもしれません。
では他の人との妄想セックスだったらどうでしょう?
少なくとも新鮮さはあります。刺激という意味ではこちらの方が強いでしょう。
性欲の低下が顕著なケースでは復活しやすいかもしれません。
しかし他人のその刺激に慣れてしまうと、それだけで満足してしまう可能性もあります。
パートナーとの性的妄想の方が性的欲求を高める
性欲を復活させるには、特定のパートナーと他人のどちらとの妄想セックスがより効果的なのでしょうか?
それを調べたライヒマン大学の研究チームによる実験があります。
まず、平均年齢25歳の男女80人を2つのグループに分け、一方にはパートナーとの妄想を、もう一方には他の人との妄想をさせました。
そして、妄想した場面、何をしたか、どんな感覚だったかを記述させました。(もちろん匿名性は保証されています)
それから、パートナーに対する性的欲求はどれくらいか?パートナーに情熱的に惹かれる感覚はどれくらいか?ということを評価させました。
それらの評価を比べたところ、パートナーとの妄想をしたグループの方が、性的欲求や情熱が高くなることが分かりました。
また、関係を良くするために、何かしてあげたい気持ちも強くなっていました。
他の参加者を対象にした実験では、パートナーと会話しているところのように、性的ではない妄想をしても、パートナーに対する性欲は強くならないことが分かっています。
(ちなみに、他の人との妄想をしたからといって、パートナーへの性欲が下がることもありませんでした)
妄想セックスは配偶者や恋人でしたほうが良い
実験室の中だけでなく、日常生活の中でも同様のことが起こるのでしょうか?
それについても、48組のカップルに21日間に渡り、日々の性的妄想を記録させることで調べています。
まずはじめに、普段どれくらい性的な妄想をしているかということですが、21日間の中で男女ともに平均で13日していました。
他の調査では1日のうちで男性は34回、女性は18回はエッチな妄想をしているという結果が出ているので想像より少ないですね。(詳しくは男女の性欲の違いは強さだけではない!種類と妄想回数の調査の記事をご覧ください)
男性は全体の妄想のうち、55%でパートナー相手の妄想をしていました。女性は72%でした。妄想の中でも女性のほうが浮気しにくということです。
そして、男女ともにパートナーとの性的妄想をした日ほど、「愛している」と伝えるなど関係が良好になるような行動をする可能性が高いことが分かりました。
他の人との妄想をした日ではこのような効果はありませんでした。逆に批判するなど関係が悪くなるような行動を増やすこともありませんでした。
別の参加者を対象とした同様の調査では、パートナーとの性的妄想をした日ほど、相手に対する性欲が強くなることも判明しています。
妄想セックスするなら、配偶者や恋人でしたほうが良さそうです。
☑︎オナ禁の効果の科学的根拠とされる論文は撤回されていた!メンタルにも悪影響
参考文献:Birnbaum GE, Kanat-Maymon Y, Mizrahi M, Recanati M, Orr R. What Fantasies Can Do to Your Relationship: The Effects of Sexual Fantasies on Couple Interactions. Pers Soc Psychol Bull. 2019.