過去のセックスを思い出す「性的ノスタルジー」の効果

恋人や夫婦間で行われた過去のセックスを「良かったなぁ」と思い出すことがあります。

このような感覚を「性的ノスタルジー」といいます。

「性的ノスタルジー」によってセックスをより良く感じられることが分かりました。

それだけでなく愛着の不安を抱えている人の性生活にも良い影響が出ることも判明しています。

みんながセックスを思い出している

男性でも女性でも日常生活の中でふとエッチなことを妄想することがあります。

レスのカウンセリングに来る人の中にも「毎日のようにエッチなことを考えてしまう自分は性欲が強すぎるのでしょうか?」と心配している人もいます。

しかしこれはおかしなことではありません。

人間が1日にどれくらいセックスについて考えるか調べた研究がいくつか存在します。それらの研究では女性が5~10回、男性が30~100回くらいという結果になっているものが多いです。

どんな内容を考えるかは人によって異なりますが、せっかくなら現在のパートナーとの過去のセックスを思い出すと良いでしょう。

そうすることで性的満足度が高まるのです。

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性的ノスタルジーに浸るとセックスの満足度が高まる

頻繁に過去のセックスを思い出す(性的ノスタルジーに浸る)人ほど性に対する満足度が高まることはミネソタ・ダルース大学のアシュレイ・トンプソン准教授らによる調査でも分かっています。

この調査では約600人を対象に過去のセックスを思い出すかと、性的満足度の関係を調べました。

すると過去のセックスをポジティブに思い出す人ほど性的満足度が高いことが分かったのです。

どんなことを思い出しているのか?

実験参加者はセックスのどのような側面にフォーカスして思い出していたのでしょうか?

代表的な内容としては以下のものがありました。

  • オーガズムに達したことや身体的接触によって感じた気持ち良さ
  • 新しいプレイや変わったことを試したときのこと
  • セックスによって親密さや愛情が深まった感覚

これらのことをよく思い出す人たちはセックスの満足度も高かったのです。ぜひ参考にしてみましょう。

愛着の問題を抱えている人ほど効果的

「愛されていないのでは?」「いつか見捨てられるのでは?」と考えてパートナーと親密な絆を結ぶことを恐れている人は不安型の愛着スタイルを持っているといえます。(原因の多くは育った家庭環境にあるとされています)

新婚のセックスレスと愛着障害の関係」の記事でも説明しましたが、愛着の問題とセックスレスは関連することがあります。

実は今回の調査では過去のセックスを思い出すことによる満足度の高まりの程度は、不安型の愛着を持つ人ほど強い相関があることが分かりました。

パートナーとのセックスを良いものとして思い出すことが関係に対する不安定さを軽減させてくれるのかもしれません。

参考文献:Ashley E Thompson, Julia M Record. (2023). Rose Colored Glasses: An Exploration of the Relationship between Sexual Nostalgia and Sexual Satisfaction.

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精神的に安定するとセックスへのモチベーションも高まる

今回の調査は因果関係ではなく、相関関係です。

そのため、セックスの満足度が高いからこそ思い出す機会も多い可能性もあります。

とはいえ積極的にセックスを思い出すのはプラスの効果を期待できるといえそうです。

「あの時は良かったなぁ」と過去に思いをはせることをノスタルジーと言いますが、性的なことに関わらずこのような感情を持つことは通常のメンタルヘルスにもプラスの効果をもたらすことが分かっています。

精神的に安定していることはセックスへのモチベーションを高めることにもつながります。

「したくない」と思っている人こそ良かったセックスを思い出してみましょう。

そしてパートナーが乗り気でないという人は思い出させるようなきっかけをさり気なく与えてみましょう。

より良いセックスについてコミュニケーションする機会の多いカップルほど相性が良くなっていくという研究もあります。

ただし、既にセックスレス状態の場合は慌てないでください。

最初から話し合いをすると逆効果となることが多いのでタイミングを計る必要があるのです。

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