旦那が男らしくないから性欲もなくレスなのだと考える女性もいます。
ここでいう男らしさとは肉体的、精神的な強さやガツガツした勢いのようなものを指します。
このような特徴の無さと性欲の無さを結び付けてしまっているのです。
こういったものは「有害な男らしさ」とされ、それを求められる男性のメンタルに悪影響を及ぼすことが複数の論文で示されています。
それだけではなく、性機能不全や中折れのような性交の失敗にもつながりやすいことが分かっています。
つまり、旦那が男らしくないからレスなのではなく、妻がそう感じていることがレスにつながっている可能性があるということです。
有害な男らしさとは
有害な男らしさ(Toxic Masculinity)についてもう少し詳しく解説しましょう。
これは一言でいうなら昔から言われ続けた伝統的な「男とはこうあるべし」というステレオタイプです。
強くなければいけない、弱音を吐いてはいけない、社会的に成功して稼がなければいけないなど様々です。
男女平等の考え方が広まり性別によって固定的な役割を期待するのが間違っているといわれる現代であっても、男性に強さを求める社会的な圧力は存在します。
そしてそのような圧力を感じ続け、それを満たすことのできない男性は劣等感を持ったり自信を失ってしまうのです。
社会から求められる「男性らしさ」は「女性らしさ」よりも脅かされやすいことも分かっています。
「男性らしさ」が失われたと感じたときに男性は精神的なプレッシャーを抱え、それが性機能にも悪影響を及ぼすのです。
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なぜ「旦那は男らしくない」と感じてしまうのか?
そもそもあなたはなぜ旦那のことを男らしくないと感じてしまうのでしょうか?
それは直感的なものであることが多いのかもしれません。
伝統的な男らしさをを作る要素の一つは男性ホルモンです。実は女性はこれを顔から判断できるのです。
男性ホルモンの多い人間に特有の顔つきというものが存在しており、女性は数秒でこれを認識するとされています。
女性に男性の顔写真を見せて浮気しそうな人を選ばせたら高い確率で当たったという実験がありますが、これも男性ホルモンの多い男性を直感で選べたことが原因とされています。
他にも優柔不断だったり、ナヨナヨした態度から男らしくないという判断をしてしまっているのでしょう。
そしてそのことがレスにつながっていると判断しているかもしれません。
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旦那が男らしくないことがレスのなりやすさに関係するのか?
では旦那が男らしくないことがレスのなりやすさに関係するのでしょうか?
確かに男性ホルモンの多さと性欲は関係があるとされていますから、影響はあるでしょう。
しかしそれだけではレスにならないのです。なぜならセックスの目的は性欲の解消だけではないからです。
あなたがレス状態で旦那に対して男らしくないと感じているのならそのこと自体に原因があるのかもしれません。
PMB(不安定な男性らしさの信念)と性機能の関係
自分の男らしさが脅かされていることに対する不安をPMB(Precarious Manhood Beliefs)といいます。日本語になっていなのですが「不安定な男性らしさの信念」とでもいったところでしょうか。
男性性の獲得は困難で失われやすく、社会的に認められてこそ男といった考えが強い人はPMBが高いといえます。
チューリッヒ大学のアンドレアス・ワルサー博士らが500人以上の男性を対象に調査したところ、PMBとED(勃起障害)には相関のあることが判明しました。
つまり男らしくいなければという信念が性機能に悪影響を与えているということです。
参考文献:Andreas Walther, Timothy Rice, Lukas Eggenberger. 2023. Precarious Manhood Beliefs Are Positively Associated with Erectile Dysfunction in Cisgender Men.
プレッシャーによる負のループ
EDでない男性は「性機能は男らしさに重要な要素である」という意見に同意しませんが、EDになると同意するようになるという調査があります。
EDになることで男らしさが失われたと考えてしまうからです。
すると余計にプレッシャーを感じて性交を失敗しやすくなるのです。
そしてさらに自信を失うという負のループが生まれてしまいます。
女性が思っている以上に男性は「男らしさ」というもののプレッシャーを感じているのです。
EDになっていなくとも妻から男らしさを求められることが負のループの入口となってしまうこともあるのです。
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無意識に有害な男らしさを求めていないか?
あなたは旦那に対して「もっと男らしくして」とか「ナヨナヨしないで」と直接的に求めてはいないかもしれません。
しかし心の中で「旦那は男らしくない」と思っているとそれが雰囲気で伝わってしまうこともあります。毎日一緒にいるのですから当然です。
例えば他所の旦那のことを褒め過ぎたりすればそれがプレッシャーになることもあるのです。
特殊な例ですが格闘技を観戦しているときに「かっこいいなあ」と呟いただけで、ひ弱な自分と比較されたと感じてしまう男性もいます。
また甘えすぎることで「男の自分がしっかりしなければ」と感じてしまい、弱音を吐けなくなることもあるのです。
無意識に有害な男らしさを求めていないか見つめ直してみましょう。