性生活が合わないときの会話で絶対にやってはいけないこと

性生活が合わないときに、夫婦やカップルで問題について話し合うこともあるでしょう。

その時に絶対にやってはいけないことがあります。

それは会話中に感情を引きずることです。

これをやると二人の性的満足度が低下するので余計に性生活が合わなくなります。

感情のダウンギュレーションがうまくいかない人

会話中に意見が対立したり口論になったりすると感情が不安定になります。怒りや悲しみを感じることもあります。

そして、すぐに気を取り直せる人もいれば、引きずる人もいます。

引きずる人は他の話題に移った後もネガティブな感情を持ったままです。

相手が気を遣って明るい話題を振っても暗い顔が残り続けます。

感情のダウンギュレーションがうまくいかないのです。

もしあなたがこのタイプなら性生活についての会話にはかなり注意しましょう。

「深刻な性生活の問題がある」と思わせてしまう

性生活が合わないからといって、最初から話し合うのはお勧めしません。片方からの働き掛けだけで解消する方法もあるからです。

とはいえ既に何度も二人の話題に出ているという人もいるかもしれません。

「なぜできないの?」と聞いても「疲れている」「する気になれない」という答えしか得られないと落ち込みます。

そして、あなたは感情的になるかもしれません。

仮に「二人で向き合っていこう」という結論になったとしたら、それはかなり前向きな結果と言えるのですが、喜べる人は少ないでしょう。

レスの話が終わって他の話題になっても、笑顔もなく暗い表情のままかもしれません。

中には眉間にシワを寄せたままの人もいるでしょう。

負の感情をニュートラルな状態に戻すのに時間が掛かっているということです。

これは別の見方をすると、ネガティブなオーラに相手を長時間晒しているということです。とても危険な状態です。

それによって相手も重たい空気になってしまい、自分たちの性生活の問題は非常に深刻で重たいものだと強く認識してしまうのです。

すると解決するのも難しいと思い込み、本当に解決できなくなってしまいます。

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感情を引きずると自分にも相手にも悪影響が出る

性生活に関する会話中に感情を引きずると自分にも相手にも悪影響が出ます。

心理学者のジャスティン・デュベ博士らが感情コントロールと性に関する調査を行っています。

まず、12ヵ月以上同棲しているカップル150組の、性的満足度、相手への性欲、性的苦悩を調べました。

その後にカップルで以下のトピックについて決められた時間だけ会話をしてもらい、その様子を撮影しました。

  1. 日常の出来事(5分)
  2. 個人的に楽しかった出来事(8分)
  3. 性に関する二人の最も重要な問題(8分)
  4. お互いの魅力(5分)

性に関する問題というのは性交頻度や、プレイに関すること、性的関心の表現などについてのものです。

性的苦悩が大きく、性欲も低下

その後に撮影された自分たちの会話のビデオを見ながら、その時々の感情を評価しました。

特殊なレバーを操作して、ポジティブからネガティブまでの感情を表すという方法です。

例えば、暗い話をして否定的な気分になっていたと評価するときはレバーをネガティブな方へ動かし、気分が戻ってきたら真ん中(ニュートラル)やポジティブな側へ動かすということです。

この評価は感情を読み取る特別な訓練を受けた第三者にも行わせています。

それらのデータを分析したところ、ネガティブな感情を感じた時に、そこからミュートラルな状態に戻るまでの時間がかかった人ほど性的苦悩が大きく、パートナーに対する性欲が低いことが分かりました。

またこのようなパートナーを持つ人は性的満足度が低い傾向もありました。

12ヶ月後の性欲は高まるが

実験から12ヶ月後にも、性欲や満足度を評価しましたが、感情が戻るまでの時間が遅い人は、性的満足度が低いままでした。

そして意外なことに、性欲に関してはカップルの双方が高くなっていたのです。

だったら、会話するときでも暗い表情のままで良いのではと思うかもしれませんが、それは危険です。

なぜ性欲が高まったかというと、負の表情で長期に渡り特徴づけられたことで、関係が不安定になったからと考えられます。

それによって、絆を再構築しなければという危機感が生じて性的活動に対する欲求が高まったのです。

つまり、あまりよろしくない性欲上昇の仕方なのです。

一時的に性欲が高まっても、関係は悪い方に向かっているということです。

感情を引きずるのは愛を信じていないから

あなたが感情的になったとき、いつまでもそれを引きずるのはパートナーの愛を信用していないからではないでしょうか。

暗い話題になったとき、サポートが少ない、理解してくれないとネガティブに捉えているのです。

そのため言葉で説明されても信用できずに、マイナスな感情が残り続け、それが表情に出てしまうこともあるのです。

そのようなことを繰り返していると、関係がどんどん悪い方へいってしまい、さらに険悪になります。

セックスレスの話でいうなら、お互いが問題に向き合えているだけで、かなり良い状態です。

それに愛情がある証拠でもありますから信じることも大切です。

暗い顔と声で言われると内容までネガティブに感じる

人間は矛盾する情報を受け取ったときに、話の内容よりも、表情と声を優先的な手がかりとします。(メラビアンの法則などといわれます)

あなたが暗い顔と声で「二人の関係は大丈夫だね」と言っても、相手は(大丈夫ではないのか…)と判断してしまうのです。

逆にセックスレスのような話でも、通常のトーンで話すことが出来れば、深刻に受け止めすぎてしまうリスクも減らせます。

ネガティブに受け取り過ぎたり、引きずり過ぎないようにしましょう。

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参考文献:Justin P. Dubé, Sophie Bergeron, et al. (2023). Hooked on A Feeling: Downregulation of Negative Emotion During Sexual Conflict is Associated with Sexual Well-Being Among Long-term Couples.

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