サンドウィッチマンの伊達さんがコントの中で「なんか興奮してきたな」とよく言います。
性欲低下に悩んでいる女性はぜひこの思考を真似しましょう。
それによって性的興奮を喚起することができます。
主観的興奮と生理的興奮は必ずしもリンクしない
性的興奮には2種類あります。
「主観的興奮」と「生理的興奮」です。
この2つは常にリンクしているわけではありません。
特に女性の場合は興奮しても濡れないことがあります。
逆に濡れているからといって心がムラムラしているとも限りません。
「性的関心/興奮障害」の人はエロティックな刺激に接したとき、生理的な反応だけ出るということもあります。
体が反応しても気持ちが乗らなければセックスはできません。
特に女性は性的な事柄に関して自動的にマイナス思考が出てしまうこともあります。
自分の身体へのネガティブなイメージや、セックスに対する罪悪感、言語化できないモヤモヤした不安が、性欲の低下へつながります。
実際に抑うつ傾向と性欲には負の相関があります。
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性的興奮をもたらすもの：思考と感情
思考と感情は主観的興奮と生理的興奮を増減させる大きな要因です。
さきほどの説明と矛盾しますが、ネガティブな思考や感情が必ずしも、興奮を低下させるわけではありません。興奮を高めることもあるのです。
ではどのような思考と感情が性的興奮につながるのでしょうか？
それに関してポルト大学とアベイロ大学の研究者たちが、行った実験があります。
この実験には、被験者として平均年齢32歳の28人の女性が参加しました。
被験者は血流の変化を測定するための装置を膣内に装着し、動画を鑑賞しました。
動画には露骨にエロいものと、ロマンティックにエロいもの（セックスしているが結合部にフォーカスしたりしていない）がありました。
それぞれの動画をランダムに見ながら、思考と感情について評価しました。
思考と感情の評価方法
思考の評価は、エッチな思考のリストにどれくらい同意するかを6段階で評価しました。
リストにはポジティブな項目（ex興奮してきたな）とネガティブな項目（ex時間の無駄だな）があります。
感情の評価も同様です。感情を形容する単語のリストへの同意を評価しました。
こちらもポジティブな項目（ex熱狂）とネガティブな項目（exイライラ）があります。
主観的興奮と生理的興奮との確認方法
説明している通り、思考と感情によってもたらされる性的興奮は2種類です。
主観的興奮はどれくらい興奮しているかという自己申告で確認します。
生理的興奮は膣内に挿入した装置からのデータで確認します。
最も強く主観的興奮をもたらすのは「興奮してきたな」という思考
結果、どうなったでしょうか？
まず、今回の実験では、ネガティブなものは思考も感情も性的興奮を喚起することはありませんでした。
そして、主観的興奮と生理的興奮の相関は低いことも分かりました。心と体の反応は必ずしもリンクしないということです。
また、思考と感情は生理的興奮をもたらすことはありませんでした。主観的興奮のみもたらしました。
中でも最も強く主観的興奮をもたらしたのは、「興奮してきたな」などのエッチな思考でした。
エッチの最中でも気が散る人の対策
「興奮してきたな」という思考が浮かんでくると性的興奮が喚起されることが分かりました。
気持ちが乗らないという女性はこういった思考が浮かぶようにしましょう、と言いたいところなのですがなかなか上手くいかないものです。
エッチなシチュエーションでも気が散ってしまい、そこに集中できないという女性は少なくありません。
特に性欲低下に悩む女性はこのような問題を抱えていることが多いです。
そのような女性はエッチの時だけでなく、日頃から「今」という瞬間に注意を向ける習慣を持つと改善できることがあります。
このようなマインドフルネスな状態を作ることが性欲の回復につながることも分かっています。（参考：性欲が落ちた女性にはマインドフルネス瞑想が効果的）
罪悪感や自信のなさを改善する習慣
また、性的なことへの罪悪感や、自分の体への自信のなさも性的興奮を抑制してしまう要因です。
このような思考は自動的に出てきてしまうものです。そして考える機会が増えるほどにそのイメージが固定化します。
これを変えるためには、ネガティブな思考が出てきたときに、再検討する癖をつけることです。
「セックスは悪いこと」と思ったときは、「本当にそうなのか？みんなしてるのに？」と考えるのです。
それによって自動的に出てくる思考が変わることが分かっています。（詳しくは女性が性欲を高めるために持つべき「認知再構成法」の考え方を参照してください）
マインドフルネスや思考の再検討が面倒という人は、まずは寝室にスマホを持ち込むのをやめましょう。
そこにスマホがあると分かっているだけでエッチの最中でも気が散りやすくなってしまうのです。
【関連記事】寝室が汚いとレスになる！嫌悪感は興奮を抑制してしまう
参考文献：Vilarinho S, Laja P, Carvalho J, Quinta-Gomes AL, Oliveira C, Janssen E, Nobre PJ. Affective and cognitive determinants of women’s sexual response to erotica. J Sex Med. 2014 Nov;11(11):2671-8.
