セックスレスの原因の一つに夫の勃ちが悪いということがあります。
妻に対してだけ勃ちにくいということもあれば、どんな性的刺激に対しても勃ちにくいということもあります。
完全に勃たないというのであれば専門医に相談すべきですが、何となく体調的な問題な気がするというのであれば食事を変えてみるのも手かもしれません。
性欲や精力を高める食べ物は色々と挙げられていますがあなたの夫が太り気味なら地中海式の食事に変えると勃ちが良くなる可能性があります。
地中海式の食事(地中海食)とは?
地中海食とはその名の通り、イタリアやスペインなど地中海の沿岸の伝統的な食事のことです。
パスタや魚介類、緑黄色野菜、豆類、オリーブオイルなどを用いた料理です。日本でも馴染みのある食事だと思います。
和食と同じように健康に良いとされており、欧米人が食生活を改善する際に取り入れるこも多いです。
あまり知られていませんが地中海食によって健康がどのように改善するかという実験は複数行われています。
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メタボによるEDは食事で改善できるのか?
少し古いですが2006年にナポリ大学の研究者が行った、メタボ男性のEDは地中海食で改善できるのか?という実験があります。
メタボの人は勃ちにくい人が多い、EDの有病率が高いということは多くのデータが示していることですが、これを食事で改善できるのかということです。
24ヶ月の食事改善プログラム
この実験ではメタボリックシンドロームかつEDの男性65名のうち35名に地中海食を摂らせました。
具体的には1日の食事で少なくとも以下の条件を満たすよう指示しています。
- 果物:250~300g
- 野菜:125~150g
- ナッツ類:25~50g
- 全粒粉(豆類、米、トウモロコシ、小麦):400g
またオリーブオイルと魚の摂取を増やし、赤肉や加工肉の摂取を控えるようアドバイスもされました。
専門のスタッフのフォローアップを受けながら被験者は24ヶ月の食事改善プログラムを受けました。
地中海食で勃ちが良くなった
この地中海食のプログラムが終了した時点で被験者はIIEF(国際勃起機能スコア)という質問票に回答しました。
これは「勃起した時どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか」などの質問に回答することでスコアが算出されEDの可能性を探るための質問票です。
21点以下はEDの疑いがあるとされています。
被験者のデータを確認したところ、地中海食にした人たちは35人中13人が22点以上になっていました。食事を変えなかった30人のうち22点以上になっていたのは2人だけでした。
つまり地中海食によって勃起機能の改善がなされた可能性が高いということです。
ちなみにどちらのグループにも有酸素運動を推奨していましたがその効果は今回の実験では現れませんでした。
他の実験では適度な有酸素運動がED改善につながる可能性を示唆するものがあります。
また中程度の有酸素運動は性欲の増進にもつながるとされています。
地中海食によるダイエットは脱落しにくい
今回の実験でも食事による改善には24ヶ月という長い時間が掛かっていますから今すぐにセックスレスを改善したいという夫婦には参考にならないかもしれません。
しかし地中海食で食べられるパスタなどは精白していない全粒穀物のため食後の血糖値の上昇を抑えたり、食物繊維やミネラルが豊富という健康上のメリットもあります。
オリーブオイルの風味などがあるため和食では物足りないという人でも満足感が得やすく塩分摂取を減らすことにも役立ちます。
今回の実験でも地中海食をした被験者は勃起機能が改善しただけではなく悪玉コレステロールや血糖値の低下もなされました。
また地中海食によるダイエットは他の方法と比べて脱落しにくいという研究もありますから、取り入れてみてはいかがでしょうか?
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参考文献:K Esposito, M Ciotola, F Giugliano, et al. (2006). Mediterranean diet improves erectile function in subjects with the metabolic syndrome.